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「不正選挙」デマにソーシャルメディアは対処できるか
Associated Press
Efforts to undermine the election are too big for Facebook and Twitter to cope with

「不正選挙」デマにソーシャルメディアは対処できるか

米大統領選挙を前に、選挙を非合法化するための情報戦が繰り広げられている。こうしたデマは、他の陰謀や偽情報が易々とそこにはめ込まれてしまうため、対処が特に難しい。 by Patrick Howell O'Neill2020.10.28

2020年の米国大統領選については、郵送投票詐欺に関する嘘や、何百万人もの非市民が投票するようになるというような疑わしい見解など、多くの陰謀論が唱えられてきた。しかし、大統領選挙日までわずかとなった最近では、最も一般的なデマは、投票数が「不正に操作される」という主張だと研究者たちは述べている。

彼らによると、陰謀論はきわめて包括的になっており、フェイスブックやツイッターなどのプラットフォームにとって取り扱いが他に例のないほど難しくなっているという。

あらゆる種類を含む陰謀

イレクション・インテグリティ・パートナーシップ(Election Integrity Partnership:EIP)は、投票者へのデマの企てや、選挙の非合法化などの影響を緩和することを目指す研究者グループだ。10月20日の報道陣との電話で、選挙が「不正に操作される」という考えを最も顕著に推し進めているのはドナルド・トランプ大統領であると、EIPは指摘した。同大統領は2016年の誇張表現を繰り返しながら、この1年のほとんどを費やして「盗まれた」選挙について警告してきたという。この持論は勢いを増し、今ではトランプ支持者はほとんどどんなニュースも「不正操作」のレンズを通して見るほどになっている。

「トランプ大統領の持論は、ある一つの偽りの主張に焦点を当てているのではありません。民主党や『ディープ・ステイト(影の国家)』で力を持つ人々が、同大統領から選挙戦を奪うために『色の革命』を開始しようとしているという陰謀論につなぎ合わされる、多くの主張に焦点を当てています」と、EIPのレニー・ディレスタは述べる(「色の革命」とは、グルジアやウクライナなどの主に旧ソ連の構成共和国でのいくつかの政府転覆の動きに付けられた名前。その中で抑制政権は、抗議運動に米国が支援をしていると主張した)。

ディレスタは、EIPの新たな報告書の筆頭著者であり、民主党の選挙勝利を先制して非合法化しようとする陰謀論が、過激な極右グループや、ロシア・トゥデイ(Russia Today)などの国際的な地方放送局にどのように広がったのかを詳しく説明している。

Qアノンの陰謀論を推進するチャンネルを削除するというユーチューブの決定から、集計が遅い郵送投票は民主党に有利な結果をもたらすという専門家の予想まで、ほとんどすべてが何か「大きな策略」の一部になり得るとディレスタは言う。すべては「不正操作」の傘下で突き動かされている。

ディレスタの研究はこの陰謀論の特定の支脈に重点を置いている。すなわち、大統領に対し違法なクーデターが計画的に実行されるという考えだ。これは実際に根拠のないデマだが、それでもここ数カ月、ブログや右派ニュース・サイト、400万人以上の視聴者を誇るタッカー・カールトン(日本版注:米国の保守派政治コメンテーター)のFOXニュースでのゴールデンアワーのテレビインタビューなどで、事実上主流になってきている。

デマのネットワーク

この種のデマは、他の陰謀や偽情報が易々とそこにはめ込まれてしまう「メタナラティブ(包括的な物語)」であるがゆえ、フェイスブックやツイッターなどのプラットフォームにとっては対処が特に難しい。焦点を絞るべき単一の出来事がない代わりに、すべての出来事が大きな陰謀に関係してくるからだ。

「長期的な陰謀説であり、口コミで広がる単一の偽情報ではないのです」と、EIPの研究者たちは結論づける。「そのため、プラットフォームによる対処はますます難しくなります。一つの投稿やコンテンツは、ごくわずかな関心しか引かないかもしれませんが、その参照の積み重ねが重要になるのです」。

この陰謀論の寿命の中で最も決定的な瞬間は、11月3日の大統領選挙日にやって来る。もし、選挙に怪しい点があれば、その影響は、選挙への信頼の弱まりとしてすぐに示されるだろう。可能性のあるシナリオの1つとして、一方の候補者が早まって勝利を宣言するというのがある。これは安全上の検査のために集計が遅れる郵送投票の有効性を弱めるだろう。確かな裏付けのある結果は選挙の当日には判明しないことを投票者が理解する鍵となるのは、従来のメディアおよびソーシャルメディアの対応であろう。もっとも、選挙管理人は予定表には何の問題もないと述べている

勝利宣言が早まって発表された場合には、候補者のサイトへの投稿に警告ラベルを適用すると、フェイスブックは述べている。ツイッターの方針は、そうしたツイートにラベル付けするか完全に削除する余地を残している。ユーチューブは方針を述べていない。

投票者にとっての最善策は、ソーシャルメディアやWebサイトに掲載された、国や地方の選挙管理人が表明する裏付けのある見解に従うことだろう。全国の選挙管理人名簿を掲載しているWebページ「キャン・アイ・ボウト.org(canivote.org)」も利用できる。

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パトリック・ハウエル・オニール [Patrick Howell O'Neill]米国版 サイバーセキュリティ担当記者
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