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激戦のペンシルベニア州、バイデン当確に時間がかかった理由
AP Photo/Julio Cortez
Why counting votes in Pennsylvania is taking so long

激戦のペンシルベニア州、バイデン当確に時間がかかった理由

集計作業が続く米大統領選でバイデン候補の当選確実が報じられた。決め手となったペンシルベニア州ではまだ集計が続いている。 by Patrick Howell O'Neill2020.11.09

大統領選挙の投票は終わったが、選挙は続いている。

世界の視線は今、重要な郵便投票をいまだに数えているいくつかの激戦州に注がれているが、とりわけペンシルベニア州の注目度が高い。11月4日はどんな状況だったのか? 集計はどのように行なわれているのか?今回の選挙は公正で安全なものなのか?

「皆さんには辛抱をお願いします」と、ペンシルベニア州のキャシー・ブックバー州務長官は11月4日の記者会見で述べた。「私たちはすべての票を正確に数えていきます」。

「これまで何度も言ってきたように、票の集計が投票日に終わることはありません。各郡において、正確に、できるだけ速やかに集計しています」。

州全体で、投票日当日もしくはそれ以前の消印の郵便投票が今でも配達されている。大幅な遅配が起きていることも忘れてはならない。したがって、集計はまだ続く。州議会の共和党はペンシルベニア州法を変えることを拒否した。そのため、250万以上の郵便投票の処理を3日の朝より前に始めることができなくなった。他の州では、かなり早くから処理を開始している。

オープンソース選挙テクノロジー研究所(Open Source Election Technology Institute)の選挙専門家、エディ・ペレスは、「郵便投票に関わる実際の作業は、直接投票(投票所での投票)よりも手順がかかります」と述べる。「しかし、手作業とテクノロジーの両面で、郵便投票には多くの安全策が施されています」。

ペンシルベニアの現在の集計や安全性、完全性のプロセスを簡潔に以下にまとめる。

  • 投票用紙と封筒は、それらを要求した登録・身元確認済みの有権者のみに送付される。
  • 選挙管理委員会は投票日から3日間(11月6日まで)投票用紙と封筒を受け付ける(共和党がこの期日に異議を申し立てる可能性はある)。
  • 選挙管理委員会は、投票用紙1枚1枚が名簿に記載された有権者のものであることを確認する。
  • 投票用紙は、直接投票とまったく同じように有権者記録と照合される。
  • 不正行為を防ぐため、投票用紙と封筒にはコンピューターで読めるコードが付いている。また、コンピューターが特定の選挙や行政区、内容、その他の検証情報と結び付けられるように、様式や大きさ、重量、デザインなどの物理的特徴が細かく決まっている。
  • 封筒の署名は、超党派のチームによって中央のデータベースと照合される。
  • 開封や用紙の取り出しは、法律で義務付けられた特定の手順で実施される。
  • 上記の安全対策ではじかれた票については、追加の調査が実施されるか、有権者への確認が行なわれる。

 

何十年もの歴史に加え、政党から独立した研究、さらに念入りな安全対策から言えることは、郵便投票が安易な不正行為を許さないということだ。また、不正行為があるかのごとく主張することは根拠のないデマであり、現職の米国大統領自身が真っ先に広めた、誤ったストーリーだということも分かる。米国全土で郵便投票が広がったここ数十年間において、不正行為が蔓延したことは一度もない。

重要な激戦州であるウィスコンシンで敗北したトランプ陣営は、集計をやめさせるためにミシガン州とペンシルベニア州で訴訟を起こすと主張している。だがその一方で、多くの票が未集計の状態で不当に勝利宣言した。早い段階で数えられた票はトランプに有利なものだったが、まだ集計が続いている民主党の牙城からの郵便投票はバイデン候補に有利に働くと見られる。

ペンシルベニア州の集計は6日までずれ込む可能性がある。

言及しておくべきシナリオがもう1つある。両候補の票差が0.5%以内だった場合、ペンシルベニア州では自動的に再集計されることになっている。敗者が集計ミスを主張し、費用を負担すれば再集計を裁判所に申請することも可能だ。

これまでのところ、そのようなミスが起きたと考える理由はない。だが何度も指摘されてきたとおり、ペンシルベニア州にはまだまだやるべき作業が残っている。つまり、私たちにとっても長い時間がかかるかもしれないということだ。

日本版注:AP通信は7日、ペンシルベニア州でバイデン 候補に当選確実を出した。6日時点で郵便投票の75%をバイデン候補が獲得しており、未集計票をカウントしてもトランプ候補が逆転できないため、と理由を説明している。

 

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パトリック・ハウエル・オニール [Patrick Howell O'Neill]米国版 サイバーセキュリティ担当記者
国家安全保障から個人のプライバシーまでをカバーする、サイバーセキュリティ・ジャーナリスト。
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