KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
米国の接触追跡アプリの失敗はバイデン政権で取り戻せるか?
AP Photo/Susan Walsh
生物工学/医療 無料会員限定
Covid apps could get a second chance under Biden—but it will take work

米国の接触追跡アプリの失敗はバイデン政権で取り戻せるか?

中央政府がリーダーシップを取れなかった米国は、新型コロナウイルス接触者追跡システムのスタートでつまづいてしまった。だが専門家らによると、新政権が新しいアプローチを使えば、まだ希望があるという。 by Mia Sato2021.02.02

バイデン新政権が立ち上がっていく中、果たして新政権が新型コロナウイルスの感染拡大を止められるか、疑いの目が向けられている。感染者数が急増を続け、ワクチンの展開をめぐる大混乱の状況を引き継いだのだから、無理もないだろう。バイデン政権の新型コロナ対策の基本戦略は、マスク着用の呼びかけ、検査件数の増加、より明確なコミュニケーションといった基本的なものだが、デジタル技術の活用にも肯定的だ。行動計画には、州レベルの接触者追跡の取り組みに注目し、すでに奏功している取り組みを拡大することへの確約が含まれている。これは、全国的なアプリの構築に州レベルで成功したものを採用し、多数の州が取り組む独自のアプリ開発を支援したり、あるいは戦略の一部を組み合わせたりすることを意味している。

国家レベルでの接触者追跡と濃厚接触通知アプリのリーダーシップは、米国に大きな変化をもたらすだろう。他の多くの国では昨年春に国レベルのアプリが公開されたが、米国では対応に追われる州の保健機関がアプリをばらばらに公開した。開発者や医療の専門家は、接触通知アプリだけでウイルスを封じ込められるわけではないと認めている。だが、連邦政府が包括的なパンデミック対策の一環として接触通知アプリに再注目することで、第二のチャンスを得られるかもしれない。

バイデン政権の具体的な施策はまだ分からないが、専門家によると、アプリがその可能性を発揮できるアプローチがいくつかあるという。

ビジョンの統一は必要かもしれないが、ひとつのアプリである必要はない

連邦政府のこれまでの対応は、州政府による新型コロナ対策テクノロジーの構築を支援してこなかった。実際、連邦政府は、各州のアプリの進捗を遅らせた可能性さえある。ジャコバン誌の報道によると、ペンシルベニア州の当局関係者は、サービス立ち上げ当時にCDCから支援を受けられず、自前で状況を乗り切らなければならなかったという。

MITテクノロジーレビューの「コビッド・トレーシング・トラッカー」によると、22の州が2020年末までに曝露通知システムを本格展開していたが、その他の州では試行さえしていなかった。それどころか、この技術を導入するかどうかについて数カ月間にわたって迷い続けている州もある。例えばイリノイ州では、10月から11月にかけて新型コロナウイルス感染症の症例が急増したが、当局はプライバシーに対する懸念があるとして、アプリの導入に踏み切らなかった。

アイルランドのウォーターフォードにあるニアフォーム(NearForm)は、アイルランド政府のアプリを構築し、米国の複数の州でも採用された実績を持つソフトウェア開発会社だ。同社の最高商務責任者(CMO)であるラリ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る