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「X-NIHONBASHI」が地上で育む
宇宙ビジネスのイノベーション
撮影:篠原孝志
イノベーション・ストーリー 「イノベーション・ストーリー」はMITテクノロジーレビューの広告主および選定パートナーによって提供されています。
Innovation in the space business

「X-NIHONBASHI」が地上で育む
宇宙ビジネスのイノベーション

宇宙ビジネスの一大拠点が、東京の中心エリア、日本橋に形作られようとしている。主導するのは、三井不動産が展開する宇宙関連領域におけるビジネス活性化促進プロジェクト「X-NIHONBASHI(クロス・ニホンバシ)」だ。拠点づくりを進め、集まる多彩なプレーヤーと協業しながら、宇宙ビジネスにおけるイノベーション創出を目指す取り組みについて、同社の川瀬康司氏に話を伺った。 by MIT Technology Review Brand Studio2021.07.05Promotion

三井グループ発祥の地で 宇宙ビジネスの「場」と「機会」を創出

日本の商業の中心地として発展してきた東京都中央区日本橋。今このエリアが、日本における「宇宙の街」として注目され始めている。

三井不動産は、三井グループ発祥の地である日本橋において「日本橋再生計画」という街づくりを2000年代前半から長期にわたって実施してきた。2010年代半ばからはその一環として「産業創造」を掲げ、特定のジャンルのビジネスエコシステムを起ち上げることで、中長期的に街の付加価値を向上させていく計画を進めている。

「まずは、ライフサイエンス領域におけるオープンイノベーションを推し進めるため、LINK-J(一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン)という団体を起ち上げ、ライフサイエンス業界における産業エコシステム作りを行ってきました。そして次の領域として考えたのが、宇宙ビジネスでした」

川瀬 康司/KOJI KAWASE
三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部兼 日本橋街づくり推進部

同社日本橋街づくり推進部の川瀬康司氏は、プロジェクトの経緯についてそう語る。宇宙に関わるさまざまなプレーヤーと話をする中、特に深く関わっていたのが国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新事業促進部だ。「JAXAさんが日本橋に拠点を設け、一緒に宇宙領域でのビジネスエコシステム促進にトライすることになったのです。“場”の提供と“機会”の創出を通じて、宇宙関連領域のビジネス拡大に貢献する狙いがありました」「場」としての「宇宙ビジネス拠点X-NIHONBASHI」を2018年11月に開設。オフィススペース提供のほか、イベントやプログラムの実施、プロジェクトへの参加など、「機会」の創出にも努めた。
「多くの反応をいただき、30人以上の規模のイベントが年間に200回以上も実施されました。またそのころには、この拠点以外にも宇宙ビジネスに関係のあるプレーヤーが日本橋に集まってきていました。その後、2019年8月に発表された「日本橋再生計画第3ステージ」で、プロジェクト全体を『X-NIHONBASHI(クロスニホンバシ)』とし、その際に新たに開設されたのが『X-NIHONBASHITOWER』です」

「X-NIHONBASHITOWER」のコワーキングスペースは、150人規模のイベントに対応するカンファレンススペースとして利用できる。ウェビナーなどのオンラインイベントのニーズにも応え、動画の収録/配信の設備を備えたスタジオも用意された(画像提供:X-NIHONBASHI)

新たな宇宙ビジネスの拠点となる「X-NIHONBASHITOWER」が2020年12月、日本橋三井タワー内にオープン。従来よりも大規模なカンファレンスに対応するワークスペースに加え、動画収録およびオンライン配信に対応したスタジオも併設。さらに、世界的に注目されている宇宙スタートアップ、株式会社ispace(アイスペース)が月面探査を行うミッションコントロールセンターを設置した。

エリアや他領域をつなぐハブとしてネットワークを構築していく

日本橋エリアに宇宙ビジネス関連のプレーヤーが集まってきた背景には、何があるのだろうか。

「2010年代後半は、ちょうど宇宙とビジネスの結びつきが強まり、注目が高まってきた時期でした。にもかかわらず、日本には宇宙関連のプレーヤーが集まる“場”がなかったのです。そのため、“場”としての『X-NIHONBASHI』、そしてエリアとしての日本橋にも、思ったよりもスピーディーに関連する方々に集まっていただいたように思います」宇宙領域のビジネスが展開したことで、宇宙とは直接つながりのなかったジャンルに広がったことも大きい。

「宇宙事業というと、衛星やロケットなど直接的に宇宙空間に行くものを想像しがちですが、たとえば農業や漁業などの衛星写真やデータを使うビジネスも関わります。また、宇宙で使われるロボットやAI、バイオ関連技術など、隣接するジャンルも多種多彩です。従来の“非宇宙”の領域から宇宙ビジネスとコミュニケーションを持ちたい、といった問い合わせをいただくことも増えてきました」

「“場”の定義はリアルな場所に限らない」と川瀬氏。この先は宇宙ビジネスのネットワーク作りを進め、宇宙とは別のジャンルの拠点との接続によるビジネスエコシステムの構築や、地方や個人を世界につなぐハブとしての役目を強めていきたいと語る

宇宙ビジネスに関わって3年ほどになる川瀬氏だが、この領域の移り変わりの早さを実感しているという。

「ビジネスとしての成長スピードも速いですが、移り変わりがものすごく早いことが印象的です。X-NIHONBASHIがスタートした頃、日本の宇宙ビジネスのホットトピックは『衛星データ』でしたが、アルテミス計画が発表されて以降、『有人』に注目が集まっています。また、NASAやJAXAなどの国家機関のプロジェクトと民間企業の連携も加速しています」

技術の発達と時代の要請に合わせてますます盛り上がる宇宙ビジネスだが、さらなる活性化に向けて自分たちにできることは「場を作るだけではない」と川瀬氏は言う。

「そこで何をするか、何が行われるかが重要です。言葉にしてしまえば、イベント開催などで活動を支えていくということになりますが、加えて我々は“少しお節介を焼こう”と考えています。宇宙のプロではなく、“場”と“機会”創出のプロとして宇宙ビジネスに関わり、他の領域を巻き込みながら個人と世界をつなぐネットワークの触媒としての役割を強めていきます。そして、衛星データを始めとする宇宙利用の促進や、宇宙で磨かれた技術を使って地上でイノベーションを起こしていく人を増やしていくことが、我々の最大のミッションだと思っています」

古くから日本中のモノとコトが集まる場所であった東京・日本橋に、宇宙というキーワードが加わった。そしてそれはX-NIHONBASHIという「場」と「機会」を得て、宇宙ビジネスネットワークの中心地としての新たな姿を見せようとしている。

ビジネスプログラム以外にも、一般向けの宇宙イベントも支援。京都発の宇宙イベント「宙(そら)フェス」を日本橋に誘致し、2019年より特別協賛として参加していている(画像提供:宙フェス東京・日本橋)

(提供:三井不動産)

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