1600℃の溶解炉で
コーニングが研究中の
未来のガラス
将来のスマホやタブレットのデザインを決める新素材ガラスは、ゴリラガラスで有名なコーニングのガラス研究所で試作されている。軽くて曲げても壊れないガラス製の機器が登場するかどうかは、ニューヨーク州北部にあるコーニングの研究センターにかかっている。 by Katherine Bourzac2017.02.03
ニューヨーク州北部にあるコーニング本社にある実験炉の前に、3人の作業員がいる。大きなマスクと宇宙服のような銀色の装備をまとった3人の動きには無駄がなく、落ち着いた様子だ。1600℃の炉の前で、溶解したガラスの入った白熱したるつぼを持ち、台に流して固まる前に成形する。ひとりの手袋からは煙が出ているが、誰も気にしていない。
コーニングのアダム・エリソン研究フェローは、材料工学の研究者だ。実験炉の作業中にガラスから硫黄のような熱気が周囲に広がるのを見ながら「3人はバレエをしているんです。地獄のような熱さですが、ガラスはすぐに固まってしまうので、数分間しか作業はできません」という。エリソン研究フェローが開発に関わり、作業員が台の上で流しているガラスは「ゴリラガラス(Gorilla Glass)」ブランドで知られ、耐久性や薄さ、軽量であることから、多くのスマートフォンに採用されている。
研究によってコーニングは、ガラス素材の利用範囲をどこまで拡大できるかを探っている。屈曲性があり、しかも傷が付きにくく、破損しにくいガラスを製造で …
- 人気の記事ランキング
-
- Is carbon removal in trouble? 炭素除去業界に激震、最大顧客のマイクロソフトが購入を一時停止
- NASA is building the first nuclear reactor-powered interplanetary spacecraft. How will it work? 初の原子力推進で火星へ、 NASA「強気すぎる」計画 SR-1はどう動くのか?
- Digging for clues about the North Pole’s past 12万年前は無氷だった?海底22メートルの泥で掘り起こす北極点の謎
- Chinese tech workers are starting to train their AI doubles–and pushing back 「先に同僚を蒸留せよ」 中国テック系労働者に広がる AI自動化の強烈な波