KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
中国のハッカー集団、イランになりすましてイスラエルを攻撃
AP Photo/Ng Han Guan
コンピューティング 無料会員限定
Chinese hackers disguised themselves as Iran to target Israel

中国のハッカー集団、イランになりすましてイスラエルを攻撃

イランの関与を匂わせていたイスラエルを狙ったハッカー集団の正体は、中国の工作員によるものだと判明した。セキュリティ研究者は現時点では偽装工作は検出可能だという。 by Patrick Howell O'Neill2021.08.17

イスラエルの政府機関およびテック企業のコンピューターにハッカーが侵入した際、捜査当局は犯人を見つける手掛かりを探した。最初に発見された証拠は、イスラエルと地政学的に対立しているイランの関与を匂わせていた。例えば、ハッカー集団は通常イラン人が使用するツールを使用し、ペルシャ語で文章を書いていた。

しかし、中東で起きた他のサイバースパイ事件の情報も含めて、さらに証拠を精査した結果、これはイランの仕業ではなく、実際にはイラン政府のハッカーチームを装った中国の工作員によるものであることが判明した。

ハッカー集団はイスラエル政府やテック企業、通信会社などの攻撃に成功しており、偽旗作戦を用いることでイランが関与しているとアナリストを欺こうとしていたと見られる。

米国のサイバーセキュリティである企業ファイア・アイ(FireEye)がイスラエル軍と共同で取り組んだ調査は、この偽装の失敗を明らかにし、ハッカー集団が責任転嫁のために使用した手法を説明している。

この調査によると、ハッカーらの手口の多くは、「Iran」という単語を含むファイルのパス名を使用するなどして、自分たちがイランのスパイであることをほのめかす極めて露骨なものだった。同時に、攻撃者らは自らの正体を隠すために、侵入したコンピューターに残る法的証拠を最小限に抑えたり、イスラエル国内の機器に侵入するために使用したインフラを隠蔽することにも苦心していた。

しかし、イランに矛先を向けさせる彼らの策略は失敗に終わった。ファイア・アイから「UNC215」と呼ばれているハッカー集団は、いくつかの重要な技術的ミスを犯したために自らの正体を明かしてしまい、過去の犯行と強く紐付けられてしまった。彼らが犯した技術的ミスには、中東での複数の工作活動において、類似したファイル、インフラ、手口を使用していたことが挙げられる。

ファイア・アイで脅威インテリジェンス部門を担当するジョン・ハルトキスト副社長は、「工作員と彼らの支援者を見分ける手がかりがあります」と言う。「工作員らが偽装を施したところで、その手がかりは複数の工作活動を通して浮かび上がります」。

暴露された複数の技術情報に加えて、ハッカーがどのような情報や被害者を狙っていたのかという点も重要な手がかりとなる。UNC2 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
  2. Digging for clues about the North Pole’s past 12万年前は無氷だった?海底22メートルの泥で掘り起こす北極点の謎
  3. Is carbon removal in trouble? 炭素除去業界に激震、最大顧客のマイクロソフトが購入を一時停止
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る