KADOKAWA Technology Review
×
デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?
Courtesy Photo
コンピューティング 無料会員限定
How tackling tech’s diversity challenges can spur innovation

デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?

コンピューター分野における多様性の重要性が指摘されているが、その取り組みはあまりうまくいっていない。人種や性別がテクノロジーの発展に与える影響を分析しているデューク大学のニッキー・ワシントン教授が、その理由について語った。 by Melba Newsome2021.11.02

人によっては、ニッキー・ワシントン教授を社会科学者だと勘違いしているかもしれない。ワシントン教授は長年、自分のようなコンピューター科学者は、自身のアイデンティティが仕事にどのように影響するかをもっと理解すべきだと主張してきた。2020年6月にデューク大学に赴任したワシントン教授は、人種、性別、階級がテクノロジーの発展に与えている影響を分析する画期的なコースを立ち上げた。

量子時代のコンピューティング
この記事はマガジン「量子時代のコンピューティング」に収録されています。 マガジンの紹介

ワシントン教授が、コンピューター科学において課題となっている「DEI(ダイバーシティ:多様性、エクイティ:衡平性、インクルージョン:包摂性)」と、この分野で自分の道を見つけるまでの経緯について語った。本インタビューは明瞭化のため要約・編集してある。

——デューク大学でコンピューター科学を学ぶ学生は、圧倒的に白人やアジア系の男性が多いですね。あなたのコースで人種、性別、階級について議論しようと思ったのはなぜですか?

テクノロジー分野における多様性の欠如を十分に認識していた私は、より多くの黒人や褐色人種の学生をコンピューティングに早くから参加させるよう常に取り組んでいました。しかし、しばらくして、それがもはや無意味なことだと気付きました。なぜなら、人種差別を受けるような分野に …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. A long-abandoned US nuclear technology is making a comeback in China 中国でトリウム原子炉が稼働、見直される過去のアイデア
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
  3. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る