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知性を宿す機械 Google’s Amazing New Satellite Imagery Will Help Researchers, Too

Google Earthありがとう!
高精細画像に研究者が大興奮

検索エンジン大手のグーグルは、Earthとマップアプリを更新し、ランドサット衛星が撮影したペタバイト級のデータを採用したが、高すぎる品質に歓喜したのは、研究者だった。 by Jamie Condliffe2016.06.29

この10年で着実に進化したGoogle Earthが究極進化を遂げた。地球表面を700兆ピクセルの高精細で描けるようになったのだ。

ただし、700兆ピクセルすべてがユーザーに表示されるわけではない。巨大データセットの出所ははNASAと米国地質調査所の人工衛星ランドサット8が地球の同じ箇所を何度も撮影した大量の画像だからだ。冗長データを使うことでグーグルは最適な画像を選べるので、雲で隠れている箇所がなく、精細で本物の色に近い各地点の画像を作り出せるわけだ。

グーグルは3年前にランドサット7のデータを使って、同様に地球の鮮明な画像を作ろうとした。しかし、人工衛星の機材が不調で期待した品質のデータにならず、高度なデータ処理で地球全体の画像を合成して間に合わせていた。現在まで3年間、Google Earthの衛星画像に対角線が描かれていたのはそのせいだ。

A view in Google Maps of Jökulsárlón glacial lagoon, at the edge of the Vatnajökull ice cap in southeastern Iceland.
アイスランド南東部、ヴァトナヨークトル氷帽の端にあるヨークルスアゥルロゥン氷河湖のGoogl Map画像

ランドサット8で撮影した画像のつなぎ合わせといった処理は、グーグルが公開しているEarth Engineが担当している。ユーザーが目にするのはGoogle Earthだが、本当の処理はEarth Engineの中にあるのだ。基本情報の提供にとどまるGoogle Mapと異なり、Earth Engineはあらゆる種類の情報を提供する。ESA(欧州宇宙機関)の人工衛星センチネル-1のレーダー観測画像、耕作地の環境データ、気温や地表温などの気候記録、人口やマラリア感染者数のような生活情報まで、ユーザーはあらゆる種類のデータを浴びるように利用できる。

Earth Engineを利用したプログラムを開発する研究者もいる。アリゾナ州立大学のベス・テルマン研究員は、洪水の被害予想を描くツー津Cloud to Streetを開発した。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、降雨量や植生などのデータをもとに、マラリアが感染しやすい地域を示すツールを開発した。セージ・グラウス・イニシアティヴは環境保全指標(米西部全域での持続可能な農場経営に使われる)の作成にEarth Engineを利用している。

つまり、ここまで精細な画像が役立つのは、研究者の正確な分析用途ばかりなのだ。今度の休みに行く場所の下調べにも使えるが、役立つかどうかは別の話。

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ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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