KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!
世界の「再エネ化」を進める材料、地球上に十分に存在
Chris McGrath/Getty Images
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Yes, we have enough materials to power the world with renewable energy

世界の「再エネ化」を進める材料、地球上に十分に存在

気候変動対策のためのインフラを構築するためには材料が必要だ。新たな研究によって、それらの材料の埋蔵量は十分であることが明らかになった。だが、採掘・加工に伴う、重大な社会的・環境的課題が指摘されている。 by Casey Crownhart2023.02.07

再生可能エネルギーで世界に電力を供給するためには、多くの原材料が必要となる。幸いなことに、アルミニウム、鉄鋼、レアアースメタルについては、十分な量があることが新しい分析によって明らかになった。

2015年のパリ協定で、世界のリーダーたちは地球温暖化を1.5℃未満に抑えるとの目標を掲げた。この目標を達成するためには、新しいインフラを多く構築する必要がある。

そして今回、再生可能エネルギー電力を世界的に送電網に供給するのに必要となる材料は、たとえ最も野心的な気候変動対策のシナリオだったとしても、地球上に十分に存在することが明らかになった。これらの材料を採掘・加工しても、地球温暖化を抑えるために掲げた目標温度を超えるだけの二酸化炭素を排出することはないという。

ただ、この良い知らせには裏がある。再生可能エネルギーのインフラを構築するために必要な材料は、しっかりと存在している。ところが、それらを実際に採掘し、加工するのが難しい。責任ある方法で実行されなければ、これらの材料を使用可能な状態にする過程で、環境破壊や人権侵害が起こる可能性があるからだ。

研究チームは、気候変動目標の達成に必要な材料について詳細に把握するため、低炭素電力の発電に必要とされる17種類の主要な物質について調査した。まず、クリーンなインフラを構築するために必要な各物質の量を推定した。そして、その各物質(もしくはその物質を製造するのに必要となる原材料)が地下資源としてどの程度利用可能かを表す推定値と比較した。地下資源には、経済的な観点から回収可能とされる地球上の全物質が含まれる。

再生可能テクノロジーの多くは、アルミニウム、セメント、鉄などを大量に必要とする。そして中には、特殊な材料を必要とするものもある。ソーラーパネルにはポリシリコンが使われ、風力タービンのブレード部分にはグラスファイバー、そしてモーター部分にはレアアースメタルが使われている。

必要となる材料は、どのような新しいインフラを、どれだけのスピードで構築するのかによって変わってくる。最 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Lego bricks are making science more accessible 科学を身近にするレゴブロック、大学の実験装置にも応用
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
  3. AI companies are finally being forced to cough up for training data 「訓練データはタダではない」音楽業界が問う生成AIの根本的問題
  4. AI lie detectors are better than humans at spotting lies 人間よりも優秀な「AIうそ発見器」は社会に何をもたらすか?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る