KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
米国のムーンショット工場、
ARPA-E新長官が語る
エネルギーのイノベーション
Bryce Vickmark
気候変動/エネルギー Insider Online限定
Inside the government agency shaping the future of energy

米国のムーンショット工場、
ARPA-E新長官が語る
エネルギーのイノベーション

米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)はエネルギー問題を解決するために、ハイリスク・ハイリターンのテクノロジーを支援している。2023年1月に同局の長官に新たに就任したエヴリン・ワンが、その役割やエネルギーの未来について語った。 by Casey Crownhart2023.03.22

米国政府は、パソコンから現在のGPSに至るまで、20世紀の代表的な発明品を生み出すのに関与した。そして今、エネルギーに対して同様の取り組みを実施している。

こうしたブレークスルーを支えていたのは、米国国防高等研究計画局(DARPA)だ。1958年に米国防総省の直轄組織として設立されたDARPAは、研究に資金を提供し、防衛関連テクノロジーを構想から実行まで導いた。今や先進的な研究の支援を模索する各国政府にとって、DARPAは世界的規模でモデルとなっている。

そのDARPAの構想を当てはめてエネルギーにおける同様のイノベーションを促進するために、2007年に米国エネルギー省(DOE)の直轄組織として設立されたのが、米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)だ。ARPA-Eはそれ以来、先進的なエネルギー研究における1400以上のプロジェクトに30億ドル以上の資金を提供し、革新的なテクノロジーが市場にもたらされるよう取り組んでいる。米国エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官はARPA-Eについて、政府のエネルギー「ムーンショット(実現すればインパクトの大きい壮大な計画)工場」と呼んでいる。

ARPA-Eは2023年1月、エヴリン・ワンを新たな長官として迎え入れた。ワン長官は、マサチューセッツ工科大学(MIT)機械工学科長の職を離れ、ARPA-Eの舵取りをする。エネルギー・テクノロジーで次に何が起こるのか、どのような課題が待ち受けているか、研究の初期段階における進歩をどのようにして測るのか、ワン長官にインタビューした。

以下のインタビューは、発言の主旨を明確にし、長さを調整するため、編集されている。

——現在発展途上にあるエネルギー・テクノロジーにおけるARPA-Eの役割をどのように考えますか。またその役割は上部機関である米国エネルギー省とどのような関係にありますか。

エネルギー・テクノロジーが実際に意味やインパクトを持つ形で展開されるには、10年ほどかかることもあります。エネルギー省の他の部局が取り組む仕事には、ロードマップが存在することが多く、その焦点は短期的な成功に向けられています。

一方、我々ARPA-Eは、ハイリスク・ハイリターンで、変革の可能性を秘めたエネルギー・テクノロジーに焦点を当てていま …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る