KADOKAWA Technology Review
×
【1/31まで】ひと月あたり1000円。
お得に購読できるキャンペーン実施中!
Big Questions Around Facebook’s Suicide-Prevention Tools

フェイスブック、自殺のライブ中継の防止機能を追加

Facebookライブに自殺防止機能が追加されたが、すぐに「死にたい」と口にする人がいるため、機械学習で判別するのは難しいとされる。疑問視する専門家もいるが、限定的な効果を期待する専門家もいる。 by Rachel Metz2017.03.03

Facebook Live will offer help if a viewer reports that a broadcaster seems to show suicidal or self-harming behavior.
フェイスブック・ライブは、ライブ映像の発信者が自殺または自傷行為をしそうだと視聴者が通報すると、救いの手を差しのべる

フェイスブック・ライブ(ライブ映像をSNSのフォロワーに発信できる機能)の一般公開から約1年、何人かが自分の映像をシェアしながら自殺した。1月に児童養護施設のトイレで首を吊ったフロリダ州の14歳の少女もそのひとりだ。

フェイスブックはこのような悲劇を避けるため、3月1日に自殺のライブ中継を防止する機能を公開した。たとえば、フェイスブック・ライブで発信している友だちが自傷や自殺しそうな場合に視聴者が通報すると、ライブ映像を発信中のユーザーにメッセージが表示され、電話相談や友だちと話す機能が提供された。フェイスブックは同様なツールをすでに提供中で、自分の友だちが投稿した近況が心配な場合、通報できる。

だが、この種の介入は役に立つのだろうか? フロリダ州立大学のテクノロジー・精神病理学研究所を運営するジョー・フランクリン助教授は、こうした機能は正しい方向ではあるが、特に有効だと示す重大な科学的証拠はないという。

「悪いことだとは思いませんし、研究すべきだと思いますが、すぐに疑問が湧いてきます。私にはこれが効果的とは思いません」(フランクリン助教授)

自殺の予防を研究するノースカロライナ州立大学のウィラ・カステベンス准教授は、若者はソーシャルメディアで交流することに慣れているので、若者には、この種の介入が肯定的に捉えられるのではないかと期待している。

「いざというとき、差しのべた救いの手が山を動かし奇跡を起こすことがあります。問題は、まだ救いの手にすがりたいと感じられる状況にその人がいるかどうかでしょう」(カステベンス准教授)。

フェイスブックは3月1日、パターン認識により投稿に自殺の意図が含まれるかどうか判定する実験をしていることも公表した。フラグ付きの投稿をフェイスブックのコミュニティー運営チームが確認し、投稿者に手を差し伸べるかどうかを判断する。

フランクリン助教授は、機械学習で医療記録をデータマイニングし、その人の自殺企図のリスクを判定する方法を研究している。フランクリン助教授は、ツールは規模の拡大が非常に簡単なので、将来はフェイスブックのような方法で自殺を発見できるようになると考えている。機械による判定は人間の通報よりも正確だと考えられるが、フランクリン助教授の研究によれば「自殺」や「死にたい」のような表現は口語的によく使われるため、その人が本当に自殺したいと思っていることをアルゴリズムでうまく見分けるのは難しいとわかっている。

それでも、「自殺を考えている人を見つけ出そうとする点では、大きな前進です」とフランクリン助教授はいう。

人気の記事ランキング
  1. Going bald? Lab-grown hair cells could be on the way 幹細胞技術で「髪」復活、究極の薄毛治療は実現するか?
  2. The worst technology of 2021 MITTRが選ぶ、2021年の「最低なテクノロジー」5選
  3. These are the most detailed photos yet of the far side of the moon 中国、過去最高解像度の「月の裏側」写真を公開
  4. The metaverse has a groping problem already メタのバーチャル空間でさっそく痴漢行為が発生、安全策は?
レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Going bald? Lab-grown hair cells could be on the way 幹細胞技術で「髪」復活、究極の薄毛治療は実現するか?
  2. The worst technology of 2021 MITTRが選ぶ、2021年の「最低なテクノロジー」5選
  3. These are the most detailed photos yet of the far side of the moon 中国、過去最高解像度の「月の裏側」写真を公開
  4. The metaverse has a groping problem already メタのバーチャル空間でさっそく痴漢行為が発生、安全策は?
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5Cities Issue

新型コロナのパンデミックによって激変した都市生活は、ポストコロナでどう変わるのか? 都市部への人口集中が世界で加速する中、環境、災害、貧困といった負の側面をテクノロジーは解決できるのか? 多様な人々が集まり、化学反応が起きるイノベーションの集積地としての役割を都市は今後も果たし続けるのか? 世界の豊富な事例と識者への取材を通して、新しい都市の未来像を描く。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る