KADOKAWA Technology Review
×
12/16開催『再考ゲーミフィケーションーー「遊び」が変えたビジネス・教育の現在』チケット販売中!
温暖化対策に熱エネルギー・ネットワーク、全米で取り組み相次ぐ
Stephanie Arnett/MITTR | Envato
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Underground thermal energy networks are becoming crucial to the US’s energy future

温暖化対策に熱エネルギー・ネットワーク、全米で取り組み相次ぐ

廃熱や地熱を利用して地域に冷暖房や温水を提供する熱エネルギー・ネットワークのプロジェクトが米国内で立ち上がり始めた。こうしたプロジェクトには、炭素排出量の削減だけにとどまらないメリットがある。 by June Kim2023.10.09

現在、米国の13の州が、建物の二酸化炭素排出量を削減するために「地下熱エネルギー・ネットワーク」の導入を進めている。よりクリーンなエネルギー源の採用を全国的に推進する取り組みの一環である。

熱エネルギー・ネットワークは、複数の建物を接続するパイプループを使用し、水源ヒートポンプを通じて冷暖房を提供する。これらのネットワークでは地熱が一般的に使用されるが、下水道を通じて他の建物から廃熱を取り入れることも可能だ。

熱エネルギー・ネットワークを設置すると、化石燃料を使用しない効率的な冷暖房を、商業ビルや住宅ビルに提供できるようになる。法律的な後ろ盾と電力会社や労働組合からの広範な支援により、今後、熱エネルギーネット・ワークは米国の将来のエネルギー・ミックスにおいて、ますます重要な役割を果たす可能性がある。

「熱は廃棄エネルギーの最大の発生源であり、未利用の資源です」と、クリーン・エネルギー非営利団体であるヒート(HEET:Home Energy Efficiency Team)の共同執行ディレクターであるゼイネブ・マガヴィは話す。「熱エネルギー・ネットワークが作られれば、必要な場所にエネルギー・ネットワークのリソースを移動して利用できるようになります」。

13の州のほとんどでプロジェクトはまだ計画と規制の段階だが、一部の州ではすでにネットワークの構築が始まっている。マサチューセッツ州フレーミングハムでは、米内初の地熱ネットワークのパイロット・プロジェクトが開始された。このプ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Who’s to blame for climate change? It’s surprisingly complicated. CO2排出「責任論」、単一指標では語れない複雑な現実
  2. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #31 MITTR主催「再考ゲーミフィケーション」開催のご案内
  3. Who’s to blame for climate change? It’s surprisingly complicated. CO2排出「責任論」、単一指標では語れない複雑な現実
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る