KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
生成AIが仕立てる究極のポルノで「性」はどう変わるか?
Israel Vargas
人工知能(AI) 無料会員限定
AI and the future of sex

生成AIが仕立てる究極のポルノで「性」はどう変わるか?

AIポルノの台頭はわいせつ性や倫理性、安全性といった従来の問題を越えた新たな問題を突き付けている。人々が性的なメディアから理想のものを手に入れることに慣れてしまった場合、人間関係に影響が及ぶ可能性がある。 by Leo Herrera2024.08.31

この記事の3つのポイント
  1. リアルな画像を生成するAIポルノは同意やプライバシーの問題を提起する
  2. AIポルノの進化は私たちの性的な記憶も変えてしまう可能性がある
  3. AI生成ポルノの台頭は合成された新たな性的欲望の症状かもしれない
summarized by Claude 3

ポルノ(性的な画像や映像)の力は性的な興奮ではなく、疑問にこそ存在する。何がわいせつであり、どんなものが倫理的、あるいは安全に見られるものなのだろうか?

ポルノを消費したり、ましてや支持したりする必要はないが、それでも回答は必要となるだろう。目下の疑問は、「リアル」なポルノとは何かである。

何世代にもわたって、ポルノ撲滅運動は米国の文化戦争の中心となっている。しかし、2000年代の初頭までにこの問題は立ち位置を失った。スマートフォンによってポルノの拡散が非常にたやすくなると同時に、抑制が難しくなったのだ。言論の自由や進化する技術との複雑な絡み合いで、ポルノは政治的に厄介な問題となった。そして、不安定な「休戦」が成立した。同意している成人によって動画や画像が作成され、有料化や年齢確認システムの制限がある限り、放置しておこうということになった。

だが、人工知能(AI)が生成したポルノが夕食の食卓やPTAの会合、裁判所にも入り込んできている昨今、そうした休戦も長くは続かないかもしれない。この問題はすでに国家的な議論へと回帰している。ヘリテージ財団(Heritage Foundation)がまとめた将来の共和党政権のための政策プラン「プロジェクト2025」では、ポルノを犯罪として扱うことや作者を逮捕することを提案している。

しかし、完全にアルゴリズムによって作成されたポルノの場合はどうだろう?その場合、わいせつ性や倫理性、安全性の問題よりも、「ポルノが『リアル』であるというとはどういうことか。その答えが私たち全員に要求することは何か」という問題が先行する。

私はアダルト・エンターテイメントの映画制作者として過ごしていた頃、劇的な状況転換の数々を目撃した。テープからデジタルへの進化や新たなエイズ対策の導入、無料のストリーミングやSNSが原因の業界の崩壊などである。ポルノは技術の取り込みが早い世界であり、欲望や強欲、妄想に基づいて形成された。それを支えていたのは俳優の演技や医薬品だ。その手法や媒体は広範囲に及んでいるが、乱雑な人間性という要素は不変だった。だが、それももはや過去のことだ。

AIが生成したポルノが初めて登場した際、初期の画像を冷静に観察し、単純なトリックとして片付けるのは容易だった。それらの画像は不気味で笑ってしまうようなものだった。例えば、不安定な死者のような目つきをした7本指のチアリーダーといった具合だ。だが、突然とも思える変化が起こり、写真のようにリアルな不気味な画像が誕生した。性的なアニメやCGI(コンピューターで生成された画像・映像)など、性的な合成コンテンツは数十年前から存在しているが、このようなポルノは見たことがなかった。それらの画像は、無数のポルノ画像で訓練されたAIモデルの生み出したハルシネーション(幻覚)であった。ポルノの創造であり、「精製」でもあった。サイケデリックな性器を持った魔性の女や、ストレートな …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る