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「アフリカ人によるアフリカのためのAIを」 研究者たちの決意
Deep Learning Indaba 2024
Africa’s AI researchers are ready for takeoff

「アフリカ人によるアフリカのためのAIを」 研究者たちの決意

アフリカのAI研究者たちは、インフラや資金の制約といった課題を抱えながらも、アフリカの言語で、アフリカ人のニーズに応えるツールを開発している。 by Melissa Heikkilä2024.11.28

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

人工知能(AI)の世界的な覇権争いについて語るとき、米国と中国の間の緊張関係や、AIテクノロジーを規制しようとする欧州の取り組みに話題が集中することが多い。

しかし、別のプレイヤーについて語るべき時が来ている。 それは、アフリカだ。

MITテクノロジーレビューはかつて、AIが新たな植民地的世界秩序(リンク先は米国版)を作り出し、世界の他の人々を犠牲にして少数の人々を豊かにしている実態を取り上げた。

アフリカのAI研究者たちは、こうした状況を変えようと決意している。独自の道を切り開き、アフリカの言語で、アフリカ人のニーズに応えるツールの開発に取り組んでいる。

だが、彼らは多くの障壁に直面している。AI研究は極めて高価であり、アフリカのスタートアップや研究者は、欧米やアジアの同業者に比べてほんのわずかしか資金を得ていない。彼らは、少ない資金でより多くのことを実施するために、イノベーションを起こし、オープンソースのリソースに頼らなければならない。

そのような状況にもかかわらず、アフリカのAIの現状には、粘り強さとイノベーションだけでなく、文化を守り、アフリカ大陸におけるAIテクノロジーの利用方法を形作るという決意が反映されている。

詳しくは、アフリカのAI業界が直面するチャンスと障壁について学ぶため、セネガルで毎年開催される機械学習のカンファレンス「ディープラーニング・インダバ(Deep Learning Indaba)」に参加したアブダラ・ツァンニの記事をお読みいただきたい。


AIがあれば量子コンピューターは不要か?

テック企業は長年、量子コンピューターに何十億ドルもの資金をつぎ込んできた。金融、創薬、物流など、さまざまな分野で量子コンピューターがゲームチェンジャーになるのを期待してのことだ。

こうした期待は特に、量子力学で説明が可能な奇妙な効果が発揮される物理学と化学の分野で高まっている。これらの分野では理論上、量子コンピューターが従来のコンピューター(古典コンピューター)に対して大きな優位性を持つ可能性があるからだ。

しかし、この分野が扱いにくい量子ハードウェアに苦戦する一方で、量子コンピューターが最も有望視されている活用事例の一部では別の挑戦者が躍進している。人工知能(AI)は現在、基礎物理学、化学、材料科学で活用されつつあり、量子コンピューティングのホームグラウンドとされている場が、実はそれほど安泰の場ではないかもしれない可能性を示している。

最近の進歩のペースを考えると、大規模な量子コンピューターが現実になる前に、化学や材料科学の分野における最も興味深い問題のかなりの部分を、AIが解決できるのではないかと問う研究者が増えている。詳しくは、フリーライターのエド・ジェントの記事『AIの急速な進歩は量子コンピューターを不要にするか』で紹介している。

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  • 1000億ドル規模のAI大国を目指すサウジアラビア。AIの覇権争いといえば、この記事ではサウジアラビアがいかにAIに参入しようとしているかを紹介している。しかもサウジアラビアは、口先だけではなく実際に行動し、資金を投入している。サウジアラビアは、隣国のアラブ首長国連邦に匹敵するような技術ハブを構築するために巨額の投資を実施している。(ブルームバーグ
  • AIによって、何が現実で何が現実でないかを見極めるのが難しくなっている。最近の2つの例は、AIスロップ(AIが生成した低品質なコンテンツ)が人々の現実感覚をゆがめるのにどれほど影響力があるかを示している。アイルランド・ダブリンでは、ハロウィーンのパレードの開催を待つため群衆が市の中心部に集まった。パレードが開催される予定はなかったのだが、AIがリストを作成し、ソーシャルメディア・ユーザーや地元メディアがそれを取り上げたのだ。それとは対照的に、一部のソーシャルメディア・ユーザーは、スペインで最近発生した壊滅的な洪水の衝撃的な画像を、現実のものであるにもかかわらず、AIが作成した偽画像だと主張した。
  • AI企業は進んで自社のテクノロジーを軍に提供するようになっている。世界中の軍が、AIを含む新しいテクノロジーに資金を投入している。メタとアンソロピック(Anthropic)は、グーグルやオープンAI(OpenAI)に続き、軍にアプローチし始めた直近のテック企業である。(ワシントンポスト
  • オープンAIは、自社のAIツールの改善が鈍化する中、戦略を転換しつつある。AI開発の現在のパラダイムは、規模を大きくすることで改良するというものだ。しかし、「オリオン(Orion)」というコードネームのオープンAIの新しいモデルは、前モデルよりもわずかに性能が向上しただけだ。その代わりに、オープンAIは初期訓練後のモデルの改良にシフトしている。(ジ・インフォメーション
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メリッサ・ヘイッキラ [Melissa Heikkilä]米国版 AI担当上級記者
MITテクノロジーレビューの上級記者として、人工知能とそれがどのように社会を変えていくかを取材している。MITテクノロジーレビュー入社以前は『ポリティコ(POLITICO)』でAI政策や政治関連の記事を執筆していた。英エコノミスト誌での勤務、ニュースキャスターとしての経験も持つ。2020年にフォーブス誌の「30 Under 30」(欧州メディア部門)に選出された。
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AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

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