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規制強化か緩和か トランプ政権のAI政策は「マスク次第」?
Anna Moneymaker/Getty
How US AI policy might change under Trump

規制強化か緩和か トランプ政権のAI政策は「マスク次第」?

AIにとって混沌としたタイミングで米国の政権が変わる。新政権はバイデン大統領が2023年に制定した大統領令を廃止すると見られるが、イーロン・マスクが話を複雑にしている。 by James O'Donnell2024.12.07

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

米国のバイデン大統領が初めてチャットGTP(ChatGPT)の能力を目の当たりにしたのは、2022年のことだ。大統領執務室で、大統領府科学技術政策局(OSTP)のアラティ・プラバカー局長がチャットGPTのデモをした。このデモをきっかけに多くの出来事が動き出し、バイデン大統領は米国の人工知能(AI)分野を支援すると同時に、そこから生じるであろう安全上のリスクを管理するようになった。

プラバカー局長は、2023年のAIに関する大統領令制定において重要な役割を果たした。この大統領令では、テック企業がAIをより安全で透明性の高いものにするためのルールが定められた(ただし、企業の自発的な参加に依存したものだ)。プラバカー局長は就任以前から、半導体の国内生産の再活性化から、ペンタゴン(米国防総省)の有名な研究部門である米国国防先端研究計画局(DARPA)の責任者まで、政府における多くの役割を担っていた。

私は先日、プラバカー局長に話を聞く機会を得た。テーマは、AIのリスク、移民政策、半導体・科学法(CHIPS法)、科学に対する国民の信頼、そしてそのすべてがトランプ政権下でどう変わる可能性があるか、といった点についてだ。

政権交代のタイミングは、AIにとって混沌とした時期にあたる。トランプ政権のチームは、AIをどう扱うかということについて明確な主張を提示していないが、チーム内の多くの人々が、バイデン政権の大統領令の廃止を望んでいる。トランプ次期大統領も7月に同様のことを述べており、「この大統領令はAIのイノベーションを妨げ、AIテクノロジーの発展に過激な左翼思想を押し付けるもの」とする共和党の政策綱領を承認した。ベンチャーキャピタリストのマーク・アンドリーセンなど、有力な業界関係者たちは、この動きを支持すると述べてきた。 しかし、イーロン・マスクがこの話を複雑にするだろう。マスクは長年、AIの終末的なシナリオについて懸念を表明しており、AIの安全性を促進することを目的とした一定の規制を支持している。今後の展開については誰も正確にはわからないが、プラバカー局長はこれまでに起こってきたことについて、多くの考えを持っている。

バイデン政権下における最も重要なAIの発展、そして次の政権で起こりうることについて、プラバカー局長の洞察をお読みいただきたい


「人間らしさ」を覚えたマイクラのAIキャラクター

ビデオゲーム「マインクラフト(Minecraft)」は、AIモデルやAIエージェントのための実験場として人気が高まってきている。スタートアップ企業のアルテラ(Altera)も最近、この流行を取り入れた。アルテラは、大規模言語モデル(LLM)で動作する最大1000体のソフトウェア・エージェントを同時に解き放ち、相互にやり取りさせた。テキストプロンプトで促すだけで、エージェントたちは、人間のクリエイターからの追加のインプットなしに、驚くほど幅広い性格的特徴や嗜好、専門的な役割を身につけた。さらに驚くべきことに、自発的に友人を作り、仕事を発明し、宗教さえ広めた。

AIエージェントはタスクを実行し、自律性を示し、デジタル環境において主導権をとることができる。アルテラの実験は、そのようなエージェントの行動が、人間から最小限の働きかけをするだけで、印象的にも、実に奇妙なものにもなりうることを示す事例の1つである。エージェントを世に送り出そうとしている人々は、大胆な野心を持っている。アルテラの創業者ロバート・ヤンCEO(最高経営責任者)は、マインクラフトでの実験を、デジタル空間で私たちと共存し、共に働くことが可能なエージェントによる、大規模な「AI文明」に向けた初期段階と考えている。「AIの真の力が発揮されるのは、大規模なコラボレーションを可能にする、真に自律的なエージェントが実現したときでしょう」と、ヤンCEOは言う。詳細は本誌のニアル・ファース編集者の記事で。

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ジェームス・オドネル [James O'Donnell]米国版 AI/ハードウェア担当記者
自律自動車や外科用ロボット、チャットボットなどのテクノロジーがもたらす可能性とリスクについて主に取材。MITテクノロジーレビュー入社以前は、PBSの報道番組『フロントライン(FRONTLINE)』の調査報道担当記者。ワシントンポスト、プロパブリカ(ProPublica)、WNYCなどのメディアにも寄稿・出演している。
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

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