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AI特需に沸く韓国半導体
なぜサムスンの技術者は
ライバルへ去るのか
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | Adobe Stock
人工知能(AI) Insider Online限定
Samsung’s chip workers are jumping ship to rival SK Hynix 

AI特需に沸く韓国半導体
なぜサムスンの技術者は
ライバルへ去るのか

AIブームで得た莫大な収益の分配をめぐって、韓国の半導体2大メーカーの1社であるサムスンから、もう1社のSKハイニックスへの人材流出が止まらない。決め手になっているのは、SKハイニックスが支払う予定の47万6000ドルのボーナスだ。部門業績に連動するサムスンのボーナスは、ファウンドリ部門ではその3割に満たない。 by Michelle Kim2026.07.30

この記事の3つのポイント
  1. SKハイニックスのAIチップ好況による高額ボーナスがサムスン従業員の大規模離職を招いている
  2. 部門業績連動制によりサムスンのファウンドリ部門のボーナスはSKハイニックスの約3割にとどまる
  3. ファウンドリ人材の流出はHBM4における垂直統合の優位性を損ない、逆転の芽を摘む恐れがある
summarized by Claude 3

サムスン(Samsung)の半導体部門でエンジニアとして働くリーは、シフトが終わると定時で退社する。以前は残業をいとわず、プロジェクトで成果を上げようと懸命に働いていた。しかし最近は、帰宅後すぐにライバル企業であるSKハイニックス(SK Hynix)への転職応募書類の作成に取りかかり、優れた自己PRの書き方を同僚たちと共有している。上司でさえ、転職を後押ししているほどだ。

「チームリーダーから、みんなSKハイニックスに移れと言われています」とリーは言う。彼と同僚たちの士気を下げているのは、SKハイニックスが従業員に支払う予定の47万6000ドルというボーナスだ。SKハイニックスはエヌビディア(Nvidia)の人工知能(AI)アクセラレーターを駆動する高帯域幅メモリ(HBM)チップの製造で過去最高益を記録し、潤沢な資金を持っている。この金額はサムスンの半導体部門の労働者が受け取る予定のボーナスをはるかに上回るものであり、人材流出に拍車をかけている。

AIブームが過熱する中、半導体業界の巨人たちは派手なボーナス、積極的な採用活動、さらには法廷での差し止め命令まで持ち出して、激しい人材獲得競争を繰り広げている。この戦いの勝者が、AIブームの中核を担う次世代HBMチップの覇権争いの行方を左右する可能性がある。

「チームリーダー2人を除いて、私のチーム30人全員がSKハイニックスに応募しました」とリーは言い、同社が7月に公開した求人情報に言及した。サムスンに3年間勤務するリーは、ライバル企業のエントリーレベルのポジションにまで応募した。サムスンに8年間勤務する同僚も同じポジションに応募した。2人とも不採用だったが、より経験豊富なエンジニアを求める求人への折り返し連絡が来ることを期待している。

MITテクノロジーレビューが取材したサムスンおよびSKハイニックスの従業員は全員、雇用主からの報復を恐れ、姓のみまたは仮名での掲載を求めた。サムスンはコメントを断り、SKハイニックスはコメントの求めに応じなかった。

労働組合との長期交渉の末、サムスンは5月に、半導体部門の営業利益の10.5%を10年間にわたって毎年ボーナスとして従業員に支払うという合意を締結した。支給は主に3年間で権利確定する自社株の形で実施される。この動きは、SKハイニックスが2025年に、営業利益の10%を従業員に支払うことに合意したことを受けたものだ。SKハイニックスの場合、2026年は1人当たり47万6000ドルに相当し、主に現金で支給される。

しかしサムスンでは、各部門のボーナスはその部門自体の業績に連動している。HBMチ …

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