KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
Cheap Gas and Big Cars Are Killing Obama’s Fuel Economy Push

米国人はデカい車が大好きで
オバマ政権の政策が台無し

アメリカ人は軽トラとSUVが大好きで、電気自動車や燃費のよい乗用車は普及しそうにない。 by Jamie Condliffe2016.07.20

米国のオバマ大統領は2011年、1リットルあたりの燃費を2025年までに平均23.2kmに高めることで自動車メーカー13社と合意したと発表した。だが、現在、政府の2つの報告書で、ガソリン価格の下落と米国人のトラック好きが原因で、合意の達成が不可能になりつつあることが示されている。

米国運輸省と連邦環境保護庁は、報告書のドラフトで2011年にオバマ政権が約束したことがほぼ達成不能だと発表した。両省庁によれば、原因はガソリン価格が低価格のままであること、乗用車よりもトラックの人気が続いていることの両方だ。状況が一気に変わらない限り、燃費は最大でも1リットルあたり約21.3kmにしか達しないという。

2012年に調整されたメーカーごとの燃費達成基準(CAFE)では、2017年製造車のガソリン消費量は1リットルあたり約15.6km、2025年は1リットルあたり平均23.2kmに設定されていた。このうち、2017年の目標値は達成できそうだが、トラックの需要が少なくなることを前提にした2025年の目標値の達成は難しそうだ。むしろ現実には、ガソリン価格の下落により、昨年軽トラックやSUV車の需要は昨年来伸びていると見られる。

もし自動車業界がこの傾向を理解した上で合意を守るなら、今後数年間は乗用車の購入希望者に、燃費の優れた車種を勧める必要がある。消費者が欲しいのは明らかに大型車であり、電気自動車のシェアは自動車全体から見れば小さくて高価であることから、自動車メーカーは購入者が小型で燃費のよい乗用車に関心を移すとは考えにくい。

大型車の重量を劇的に減らすひとつの手法がある。従来、重量の削減といえばアルミニウムやマグネシウムを使っていたが、炭素繊維の価格が下がり、自動車の材料としてますます魅力的になっているのだ。同じトラックやSUVに小型のエンジンを搭載すれば燃費を下げられるが、より効果的な解決策として、超効率的ハイブリッド設計も、燃費を向上させ、エンジンの出力を保つ手法といえる。

自動車メーカーは当然、こうしたテクノロジーに取り組んでおり、欠けているのは、ガソリン価格の下落で大型車になびく消費者へのよい販売方法だけなのだ。

関連ページ

人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
タグ
クレジット Photograph by Joe Raedle | Getty
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る