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2026年は科学の転換点に
オープンAI幹部、
後発参入の狙いを語る
Photo illustration by Sarah Rogers/MITTR | Photos Getty
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Inside OpenAI’s big play for science 

2026年は科学の転換点に
オープンAI幹部、
後発参入の狙いを語る

「2026年は科学にとって、2025年がソフトウェア・エンジニアリングにとってそうだった年になる」。オープンAIのケビン・ワイル副社長が本誌の独占インタビューで語った。同社は2025年10月に科学者支援チームを立ち上げた。目指すのは画期的新発見ではなく、「科学の加速」だという。同分野への本格参入の狙いを聞いた。 by Will Douglas Heaven2026.01.28

この記事の3つのポイント
  1. オープンAIが昨年10月に専門チームを立ち上げ、GPT-5による科学研究支援の本格化を発表
  2. GPT-5は既存研究との関連性発見や数学的証明支援で成果を示すが、真の新発見創出には未到達の段階
  3. 幻覚問題や過大評価リスクを抱えつつも、2026年は科学分野でのAI活用が標準となる可能性を幹部が語った
summarized by Claude 3

ChatGPT(チャットGPT)の爆発的なデビューから3年間で、オープンAI(OpenAI)のテクノロジーは、家庭、職場、学校など、ブラウザーを開いたりスマホを取り出したりするあらゆる場所、つまりあらゆる日常の場面に浸透した。

オープンAIは今、科学者への働きかけを本格化させている。2025年10月、同社は「オープンAI・フォー・サイエンス(OpenAI for Science)」と呼ばれる新しいチームを立ち上げ、大規模言語モデル(LLM)が科学者をどのように支援できるかを探り、その支援ツールの最適化に取り組んでいくと発表した。

ここ数カ月、数学者、物理学者、生物学者、その他の研究者が、LLM(特にオープンAIのGPT-5)が発見を助けたり、見逃していた可能性のある解決策に導いてくれたりした事例を、ソーシャルメディアや学術論文で相次いで報告している。オープンAI・フォー・サイエンスは、こうしたコミュニティとの関わりを深める目的でも設立された。

それでもオープンAIは後発組である。「AlphaFold(アルファフォールド)」や「AlphaEvolve(アルファイヴォルヴ)」といった画期的な科学モデルを開発したライバル企業のグーグル・ディープマインド(Google DeepMind)は、すでに数年前からAIを科学に応用する専門チームを擁している(2023年に本誌が実施したディープマインドのデミス・ハサビスCEOへのインタビューで、ハサビスCEOはこう語っていた。「これこそまさに、私がディープマインドを立ち上げた理由です。実際、このために全キャリアをAIに捧げてきたのです」)。

では、なぜ今なのか? 科学への注力は、オープンAIのより広範なミッションとどう関係するのか? そして同社は具体的に何を目指しているのか?

私は先週、オープンAIの副社長で、オープンAI・フォー・サイエンスのチームを率いるケビン・ワイルに独占インタビューを実施。これらの疑問をぶつけた。

オープンAIのミッション

ワイル副社長は製品開発の専門家である。ツイッター(Twitter)やインスタグラム(Instagram)でプロダクト責任者を務めた後、数年前に最高プロダクト責任者(CPO)としてオープンAIに入社した。しかし彼の原点は科学にある。スタンフォード大学で素粒子物理学の博士課程を3分の2まで進んだが、シリコンバレーの夢を追い、学術界を離れた。ワイル副社長はその経歴を誇りにしている。「私は人生の残りを物理学教授として過ごすつもりでした。今でも休暇には数学の本を読んでいますよ」。

オープンAIの既存のホワイトカラー向けの生産性ツール群や、バイラル動画アプリ「Sora(ソラ)」との関連性を問われると、ワイル副社長は会社のマントラを繰り返した。「オープンAIのミッションは、汎用人工知能(AGI)を構築し、それを全人類にとって有益なものにすることです」。

このテクノロジーが将来、科学に与える可能性を想像してほしいと彼は語る。新しい薬、新しい材料、新しいデバイス……「現実の本質を理解し、未解決の問題を考え抜く手助けをすることを想像してください。AGIがもたらす最大かつ最も前向きなインパクトは、実は科学を加速させる能力かもしれません」。

ワイル副社長はこう付け加える。「GPT-5によって、それが現実のものとなる兆しが見え始めています」。

ワイル副社長によれば、LLMは今や有用な科学的協力者となる水準に達している。アイデアを出し合い、探求すべき新しい方向性を提案し、数十年前に無名の学術誌や外国語で発表された古い解決策と、最新の問題との間に有益な類似性を見出すことができる。

1年前はそうではなかった。2024年12月、オープンAIが問題を複数のステップに分解し一つずつ解いていく「推論(reasoning)モデル」と呼ばれるLLMの第一弾を発表して以来、同社は技術の限界を押し広げてきた。推論モデルは、LLMを数学や論理問題の解決において飛躍的に進歩させた。「数年前、モデルがSAT(大学進学適性試験)で満点を取れるだけで私たちは皆驚いていました」とワイル副社長は言う。

やがて、LLMは数学コンテストで優勝し、大学院レベルの物理学の問題も解けるようになった。昨年、オープンAIとグーグル・ディープマインドの両社は、自社のLLMが国際数学オリンピックで金メダル相当の成績を収めたと発表した。「これらのモデルは、もはや大学院生の上位90%より優れているというだけでなく、人間の能力の最前線に立っています」(ワイル副社長)。

これは非常に大きな主張であり、留意すべき点もある。それでも、推論モデルを含むGPT-5が、複雑な問題解決においてGPT-4から大きく進化していることは疑いない。生物学、物理学、化学における博士レベルの知識を問う400問以上の多肢選択問題を含む業界ベンチマーク「GPQA」で評価すると、GPT-4の正答率は39%で、人間の専門家の基準値である約70%を大きく下回っていた。オープンAIによれば、2024年12月にリリースされた最新版モデル「GPT-5.2」では、正答率が92%に達しているという。

過大評価

興奮は明らかであり、そしておそらく過剰でもある。2025年10月、ワイル副社長を含むオープンAIの幹部らは、GPT-5が複数の未解決数学問題を解決したとXで誇らしげに投稿した。しかし数学者たちは、実際にはGPT-5がしたのは、少なくとも1つはドイツ語で書かれた古い論文から既存の解法を掘り起こしただけだと、すぐに指摘した。それでも有用ではあったが、オープンAIが主張していたと思われる「発見」とは異なっていた。ワイル副社長らはその投稿を削除した。

現在、ワイル副社長はより慎重な姿勢をとっている。すでに存在しているが忘れられていた解答を見つけ出すだけでも十分な意義があることは多いと彼は言う。「私たちは皆、巨人の肩の上に立っているのです。もしLLMがその知識を蓄積し、すでに解決された問題に苦労する時間を …

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MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

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