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AIが設計した軌道で恒星間へ、到達まで最大8万年の探査計画
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | Getty Images, Adobe Stock
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How AI plotted an interstellar journey to Alpha Centauri

AIが設計した軌道で恒星間へ、到達まで最大8万年の探査計画

非営利団体フェルミ・エクスプローラー・ミッションが、2029年末までにアルファ・ケンタウリへ探査機を打ち上げると発表した。4.4光年先への到達には最大8万年かかる。チームが1年かけても見つけられなかった軌道を導いたのは、AIシステムだった。 by Michelle Kim2026.09.02

この記事の3つのポイント
  1. フェルミ・エクスプローラーが2029年末までにアルファ・ケンタウリへの探査機打ち上げを発表した
  2. AIシステムが太陽近傍を活用する独創的軌道を発見し、1500万ドルの低コスト実現を可能に
  3. ミッションはフェルミのパラドックスにも挑み、知的生命の稀少性や「グレート・フィルター」の存在を問う試みでもある
summarized by Claude 3

フェルミ・エクスプローラー・ミッション(Fermi Explorer Mission)という非営利団体が9月1日、2029年末までに最も近い恒星系へ向けて宇宙探査機を打ち上げる計画を発表した。

非常に野心的なミッションだ。すべてが順調に進んだとしても、探査機が4.4光年先のアルファ・ケンタウリに到達するまでには、最大8万年かかる可能性がある。しかも探査機は、フィジカル・スーパーインテリジェンス(Physical Superintelligence、PSI)というAI物理学研究所が開発したAIシステムによって発見された新しい軌道をたどる。PSIは同日、ビル・ゲイツが設立した気候投資グループのブレークスルー・エナジー(Breakthrough Energy)が主導する5800万ドルの資金調達とともに始動した。

このような試みは今回が初めてではない。2016年、億万長者のテック投資家ユーリ・ミルナーは、人類初の宇宙探査機をアルファ・ケンタウリへ送り込むことを目指す恒星間ミッション「ブレークスルー・スターショット(Breakthrough Starshot)」を発表した。計画は、強力なレーザーで小型の探査機を光速の5分の1まで加速し、20年以内にアルファ・ケンタウリへ到達させるというものだった。ミルナーは概念実証に向けて1億ドルを拠出すると表明した。しかし10年たった今も、何も打ち上げられていない。

「ブレークスルー・スターショットと同じことはしたくありませんでした」。フェルミ・エクスプローラー・ミッションの共同創業者兼代表、フィリップ・ジョンストンはこう話す。「私たちは、実際に何かを打ち上げることに固く決めています」。現在、個人の民間支援者から資金提供を受けているこの新ミッションの費用は、わずか1500万ドルになる見込みだ。

そのために、「人間の一生のうちに到達する、という制約は設けていません。とにかく、別の恒星へ到達する方法を見つけよう、ということです」(ジョンストン代表)。

探査機は少なくとも1キログラムの積み荷を搭載する。芸術・科学関連のペイロードやメッセージに加え、ゴールデン・レコードのコピーも含まれる。ゴールデン・レコードとは、NASAが1977年に2機のボイジャー探査機に搭載した金メッキのレコードで、地球の音や画像が収録され、探査機を発見するかもしれない文明に向けたメッセージとして送り出されたものだ。

恒星間を旅するための工学的課題は極めて難しい。アルファ・ケンタウリは地球から約25兆マ …

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