KADOKAWA Technology Review
×
無料の会員登録で、記事閲覧数が増えます
コネクティビティ How to Operate Your Smart Watch with the Same Hand That Wears It

左手のスマートウォッチを
左手で操作する方法

カーネギーメロン大学の研究者がスマートウォッチ内蔵のセンサーで、ジェスチャー制御する方法を開発した。 by Signe Brewster2016.07.26

スマートウォッチは効率がいいとはいえない。片方の手首にスマートウォッチを着け、もう片方の手で操作するのだ。そこでカーネギーメロン大学の研究チームは、着けている方の手だけで使ってピンチやスワイプ、クリックできる、いい方法があるに違いないと考えた。

研究チームはジャイロスコープや加速度計といったスマートフォン用の枯れたセンサーを活用し、サムスン製スマートウォッチGalaxy Gearを装着している方の手で、ピンチとタップの比較的細かい動きと、ラブ、スクイーズ、ウェーブの大きな動き、合わせて5つの動きを機械学習で認識できるようにした。

カーネギーメロン大学ヒューマンコンピュータインタラクション研究所の博士課程に在籍するジュリアン・アンドレス・ラモスロハスは「スマートウォッチを身に着けた状態で、不格好に見えない操作がしたかった」という。

スマートウォッチ内のセンサーが単純な手の動きを認識する

研究チームは10名のボランティアの協力により、システムの精度の測定した。全体の精度は約87%で、製品版の精度は95%以上が要求されるだろうとラモスロハスは想定している。

今どきのスマートウォッチの形状は比較的新しく、メーカーは異なる入力方式を実験している最中だ。とはいえ、入力方法は大きなボタンと指で画面をタップしたりスクロールしたりすることが多い。

動作認識はスマートウォッチの機能性を劇的に改善させると考えられており、実用に向けて盛んに研究されている。スマートウォッチのために両手で操作するのは時計型にする意味がない。手が汚れているとき、画面をタッチして曲を替えたいとは思わないだろう。

ジェスチャー制御・アームバンドメーカーのサルミク研究所のステファン・レイクCEOは「ジェスチャー制御には、速さ、繊細さ、両手をふさがない状態での操作、そして楽しさが大事です。時計の操作に気を取られずに、さまざまな操作ができるのなら、ジェスチャー制御に置き換わるでしょう」という。

スマートウォッチメーカーもジェスチャー制御の採用し始めている。2015年末、グーグルがAndroidスマートウォッチにジェスチャー制御を追加できるようにした。ユーザーは手首をフリックしたりシェイク、リフトしたりすることで入力できる。カーネギーメロン大学の研究チームの手法は、もっと細かな動作であるユーザーの指の動きでもスマートウォッチが認識できる点が異なる。

カーネギーメロン大学の研究者は、この研究は特に医療分野で、たとえば運動ニューロン病の患者による利用があり得ると考えている。また、スマートウォッチ以外にも、携帯電話、ノートパソコン、VR/ARヘッドセットの操作で利用できれば、ジェスチャー制御でもっといろいろなことが可能になるだろう。

研究者はデバイス操作についてスマートウォッチ以外にも目を向けている、とラモスロハスはいう。カーネギーメロン大学の別の研究チームは、皮膚をタッチパッドの一部として使おうとしている(”Use Your Arm as a Smart-Watch Touch Pad“参照)。ただし、極端にSFじみたソリューションがすぐに実現することはない。

「1つの入力操作方式に収斂するのではなく、テクノロジーの特徴を上手に絡めることになるでしょう」(ラモスロハス)

人気の記事ランキング
  1. The Seven Deadly Sins of AI Predictions シンギュラリティは来ない —AIの未来予想でよくある 7つの勘違い
  2. MIT Technology Review Academic Conference Event Report 日本の学生は世界でどう戦うか? 先端テック企業トップがエール
  3. This Is the Reason Ethereum Exists なぜイーサリアムは ビットコイン以上に 世界を熱狂させるのか?
  4. India Warily Eyes AI 自動化で沈みゆくインド、 IT業界が斜陽産業になる日
  5. Quantum Computers Pose Imminent Threat to Bitcoin Security ビットコインは量子コンピュータによる攻撃に耐えられるのか?
タグ
クレジット Image courtesy of Hongyi Wen
シグニー ブリュースター [Signe Brewster]米国版
シグニー・ブリュースターは科学とテクノロジーのライター。特に注目しているのは、たとえば実質現実やドローン、3Dプリントなど、芽生えたばかりのテクノロジーが今後どうなるか、です。記事は、TechCrunch、Wired、Fortuneでも執筆しています。
「コネクティビティ」の記事
人気の記事ランキング
  1. The Seven Deadly Sins of AI Predictions シンギュラリティは来ない —AIの未来予想でよくある 7つの勘違い
  2. MIT Technology Review Academic Conference Event Report 日本の学生は世界でどう戦うか? 先端テック企業トップがエール
  3. This Is the Reason Ethereum Exists なぜイーサリアムは ビットコイン以上に 世界を熱狂させるのか?
  4. India Warily Eyes AI 自動化で沈みゆくインド、 IT業界が斜陽産業になる日
  5. Quantum Computers Pose Imminent Threat to Bitcoin Security ビットコインは量子コンピュータによる攻撃に耐えられるのか?
ザ・デイリー重要なテクノロジーとイノベーションのニュースを平日毎日お届けします。
公式アカウント