エネルギー

New York State Has a Plan to Rescue Nuclear Power ニューヨーク州は
原子力発電で二酸化炭素削減

ク​​リーンエネルギー目標を達成するため、ニューヨーク州は不採算の原子力発電所に助成金を支給する。 by Richard Martin2016.08.02

アンドリュー・クオモ知事の支持を得て、ニューヨークの公共サービス委員会(PSC)は、採算が悪化した州内の原子力発電所を数十億ドルの補助金で支援するよう、画期的なクリーンエネルギー基準を制定した。新基準は、州政府が原子力発電事業者を救済するための最重要ステップだ。原子力発電事業者は天然ガスプラントによる低価格電力に翻弄されてきた。

新計画では、固定資産税を財源に、州内に4カ所ある原子力発電所のうち3カ所の運営に2029年まで補助金を出す。提供される資金は年平均約5億ドルで、最終的には合計76億ドルになる。計画では、二酸化炭素の40%削減と、2030年までに州の電力生産の半分を再生可能エネルギーにすることを目指している。

発電所の運営事業者は、規制当局が公的資金で支援しないなら閉鎖を計画していると、発表していた。オンタリオ湖畔にあるジェームズ・A・フィッツパトリック発電所を所有するエンタジーは2017年初頭までに発電所を閉鎖する、と述べていた。R・E・ジナとナインマイルポイントの各発電所を所有するエクセロンは、州の支援がなければ今後数年のうちに発電所を閉鎖すると語った。(ニューヨーク市近郊のインディアンポイントエネルギーセンターは、新たな補助金の対象ではない。委員会によれば、その地域では電力価格が高く、発電所は閉鎖の危機にはないからだ)

5月に開催された原子力発電の将来に関する米国エネルギー省の会議で、専門家は、今後10年間で、米国内の原子力発電所20基が閉鎖する、と結論づけた。閉鎖は温室効果ガス排出を劇的に増加させ得る。

米国の原子力発電の未来に関する議論は近年エスカレートし、5つの発電所の予定寿命が来る前に閉鎖された。運営事業者はさらに7カ所以上の閉鎖計画を発表している。

原子力発電は米国の電力のほぼ20%を供給しており、二酸化炭素を排出しない電力の63%を占める。原子力発電の反対派(憂慮する科学者同盟とシエラクラブを含む)は、化石燃料も核エネルギー源も再生可能エネルギー(主として風力と太陽光)に完全に置き換えることができると主張する。

一方で原子力の擁護者は、閉鎖された原子力発電所は天然ガス発電所で置き換えられる傾向があると指摘する。たとえば、カリフォルニア州の二酸化炭素排出量は、2013年6月のサン・オノフレ発電所の閉鎖後の1年で1100万トン近く増大した(気候変動を抑制するために原子力発電を支持するサンフランシスコの研究機関である、ブレークスルー研究所による)。州最大の公益事業者であるパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニーは、カリフォルニア州が新たに資金援助しなければ、週内に唯一残る原子力発電所であるディアブロ・キャニオン発電所を、現在の運営免許が切れる2024年と2025年には閉鎖する予定だ。

クリーンエネルギー基準が提供するのは「二酸化炭素を排出しない発電にカネを払うブリッジです」とPSCのオードリー・ジーベルマン議長は月曜日の投票の前に「再生可能エネルギーの推進と二酸化炭素の削減目標を費用対効果が高く、現実的な方法で達成できます」と語った。

新基準は、他の州のモデルにもなり得る。ニューヨークは二酸化炭素を排出しない電力事業者に、発電方法が原子力でも風力でも太陽でも、基本的には無担保で資金を貸している。今年初めの報告でブレークスルー研究所は、風力と太陽光に焦点を当てる州の再生可能ポートフォリオ基準を修正し、原子力発電への支持を含む、「低炭素ポートフォリオ基準」を作成することを提案した。

ブレークスルー研究所によれば、このような製作は「既存の原子力発電所の早期閉鎖が、短期的には風力発電や太陽光発電の継続的な展開という炭素とクリーンエネルギーのメリットの全部または一部を無駄にしない一方で、長期的には低炭素発電の展開を…かなり引き上げる」ことを保証する。公共料金の納付者1人につき毎月約2ドルというニューヨークの原子力補助金は、安い買い物だろう。

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クレジットPhotograph courtesy of Constellation Energy Nuclear Group
リチャード マーティン [Richard Martin]米国版 エネルギー担当上級編集者
MIT Technology Reviewのエネルギー担当上級編集者。『Coal Wars: The Future of Energy and The Fate of the Planet(石炭戦争:エネルギーの未来と地球の運命)』(2015年刊、未邦訳)の著者です。
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