KADOKAWA Technology Review
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The U.S. No Longer Has One of the Top Three Fastest Supercomputers

中国に完敗した米国が挑む、スパコン戦争の行方

発表されたスーパーコンピューター・ランキングの1位、2位は中国だった。米国はインテルやIBMに2億5800万ドルの資金を投じて、2021年の逆転を目指す。 by Jamie Condliffe2017.06.27

スーパー・コンピューターの世界をアメリカが支配しようとして失敗し続けている中、米国エネルギー省は国力の再活性化を模索している。

スーパー・コンピューターの処理性能を順位づける「TOP500」が新しいランキングを6月に発表した。世界最速のスーパーコンピューターは昨年に引き続き、中国・無錫市にある国立スーパーコンピューター・センターの「神威・太湖之光(しんい・たいこのひかり:Sunway TaihuLight)」だった。神威・太湖之光(以下、太湖之光)は1秒間に9京3000兆回の計算ができ、2位の中国の「天河二号(Tianhe-2)」のおよそ3倍の速さだ。第3位は、最近エヌビディアのGPUを採用して性能を一気に引き上げた、スイス国立スーパーコンピューター・センターのピーツ・ダイント(Piz Daint)だ。

米国にとっては悲しいことに、アップグレードされたピーツ・ダイントはオークリッジ国立研究所にある米国エネルギー省のスーパーコンピューター「タイタン(Titan)」を第4位に引きずり落とした。1秒間に1京7000兆回の計算ができるタイタンは、太湖之光より5倍遅いことになる。ただ、1つ言い訳すると、米国は上位10位のうち5つのコンピューターを保有している。スーパーコンピューター上位500台のうちの169台は米国製だ。一方、中国製は「たったの」160台にすぎない。

しかし何はともあれ、このニュースはスーパーコンピューターの王者としての米国の失墜を強調している。米国製スーパーコンピューターが上位3位に入らなかったのは1996年以来初めてだ。米国が重要なスーパーコンピューティングの資源を持ち合わせているにもかかわらず、中国の研究者が楽しんでいる計算速度には及ばず、大きな課題に取り組むことさえできないことを示している。

2017年「ブレークスルー・テクノロジー10」の1つである実用的な量子コンピューティングの到来によって、スーパーコンピューターの必要性がなくなるだろうと言いたくもなるわけだ。しかし、量子コンピューターが大規模な計算を実行できるようになるには、さらに数年かかるだろう。また量子コンピューターが実用化されても、驚くほどの速さで特定の問題が解決できることは約束されてはいるものの、あらゆる問題を、通常のコンピューターよりも高い信頼性で速く解決できるかどうかはまだ明確ではない。

つまり、創薬、材料科学、気候モデルなど、現在、膨大なコンピューターの計算成果に依存している多くの研究分野が、今なお高速なスーパーコンピューターを必要とすることを意味している。

かつて世界最速だったタイタンを保有する米国エネルギー省は、このことを痛いほどわかっている。だからこそ、コンピューティング・プロジェクトに2億5800万ドルという衝撃的な規模の資金投入を表明したのだ。AMD、IBM、インテル、エヌビディア、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、クレイに分配されるこの資金は、タイタンよりも50倍速いコンピューターの開発を進めるためのものだ。

米国政府は2021年までに、新しいスーパーコンピューターが1秒間に100京回の計算処理能力を得られるようになると見込んでいる。1000兆の1000倍であり、太湖之光の10倍の性能だ。しかし中国は、スーパーコンピューターへの猛烈な投資のおかげで、2020年までに同じ性能を達成する可能性があるとまで主張している。米国にとってスピードこそが非常に重要なのだ。

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クレジット Image courtesy of Oak Ridge National Laboratory
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

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