KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
暴走するユニコーン企業
ウーバーの見た夢
カバーストーリー 無料会員限定
Uber’s Other Big Problem: Driverless Cars Aren’t Ready Yet

暴走するユニコーン企業
ウーバーの見た夢

ウーバーのカリスマ創業者がCEOの職から追放された。破壊的イノベーションで成長してきたユニコーン企業の今後を担う次期CEOは、多くの難題を引き継ぐこととなる。ウーバーは運転手を自動運転へ置き換えることを前提としているが、実現への道は険しい。 by Peter Burrows2017.07.05

ウーバー(Uber)の共同創業者トラビス・カラニック前最高経営責任者(CEO)は8年前から、自由奔放で破壊的イノベーションを引き起こす起業家として活躍し、世の中に大きな影響を与えた。ウーバーは世界各国の都市で陸上輸送システムに革命的変化をもたらした一方で、既存の規制を無視することも多く、昔ながらのシステムで経営を続けるタクシー会社の懸念、さらに大勢の自営ドライバーの悩みなど眼中になかった。そして競合他社に対する常識的な配慮が欠けていた。

カラニック前CEOがその座を追われたのは先月のことだが、後継者はカラニックよりも現実的な路線を取らざるを得なくなるだろう。ウーバーの次期CEOの行く手には、解決すべき重要な課題が山積している。たとえば、ドライバーたちとの関係を修復したり、主要経営陣の空席を埋めたり、ウーバーの妥協を許さない企業文化を全面的に改革するといったものだ。

「カラニック前CEOは取締役会で独裁者的な存在でした」と、テクノロジー・コンサルタントを長らく務める作家のジェフリー・ムーアはいう。「さしあたっては、ウーバーは以前より周りに配慮し、無難な経営方針を取り、より着実に事業を進める会社に生まれ変わるしかありません」

これは現在の株主(ほとんどがシリコンバレーのベンチャー投資家)にとって、十分納得できる話だ。彼らがカラニック元CEOを追放したからだ。しかし、ウーバーが株式を上場して大成功を収めるには、まだまだ数多くのイノベーションを起こす必要があると、『シェアリング・エコノミー』(2016年、日経BP社刊)の著者であるニューヨーク大学経営大学院スターン・スクールのアルン・スンドララジャン教授はいう。

株式非公開企業のウーバーが将来上場して、現在の企業価値である600億ドルに近づけるには、全世界の市場規模が400億ドルしかないタクシービジネスから抜け出す必要が出てくる。企業価値をさらに押し上げるには、ウーバーはカラニック前CEOの真の目的を達成する必要があるだろう。手軽に利用できるサービスを構築し、消費者が自家用車を買わなくて済むようにすることだ。年間10兆ドルを売り上げる新車や中古車の市場に割って入れば、ウーバーの時価総額はグーグルやフェイスブックを上回ることになるだろう。グーグルやフェイスブックは、自動車 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る