KADOKAWA Technology Review
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日本企業がMITの
スマート・カンパニーに
ランクインしなかった理由
It Pays to Be Smart

日本企業がMITの
スマート・カンパニーに
ランクインしなかった理由

生産性を強力に高める可能性を持つイノベーションを生み出し、今日は存在していない市場を創造する——MITテクノロジーレビューが選定した「2017年版スマート・カンパニー50」に日本企業は含まれていなかった。中国企業が8社選ばれたのとは対照的だ。スーパースター企業による世界的な支配が広がる背景を読み解けば、その理由も見えてくるはずだ。 by David Rotman2017.08.03

世界経済はますます少数の有力企業によって支配されるようになってきている。アマゾン、フェイスブック、グーグル、アップル、ウォルマートといった地位の確立した巨大企業から、エアビーアンドビー(Airbnb)、テスラ(Tesla)、ウーバー(Uber)のような急成長している新興企業まで、こうした有力企業はいたるところで目につく。いつの時代にも大企業や独占企業は存在していたが、一部の経済学者がスーパースター企業と呼ぶ新世代の企業には、ある特徴が存在する。それは、幅広いビジネス分野を手がけており、少数の勝者の総取りを促進するデジタル・テクノロジーを巧みに予測・利用して、少なくとも一部で力を増大させてきたということである。

MITテクノロジーレビューが年1回発表している「スマート・カンパニー50」のリストには、そういった企業が多数含まれている。このリストは、単に今日最大の企業や、最も収益を挙げているプレーヤーを列挙したものではない。テクノロジーの進歩を活かせるビジネスモデルを有しているイノベーティブな企業に焦点を当てている。将来、どの企業が支配的になるかについての最善の予測なのである。

スマート・カンパニー50の企業のリストにはアマゾン、フェイスブック、グーグルなどの巨大企業が載っている一方、新興企業も多数含まれている。それらの新興企業は、現在は馴染みがないかもしれないが、今後数年間のうちにビジネスを生み出す可能性のある人工知能(AI)のようなテクノロジーを利用するのに有利な立場にある。もちろん、イノベーションに関して聡明であることが、スーパースターになれることを保証するわけではない。しかし聡明であることは少なくとも、ますます競争的になってきているビジネス環境において、新しい市場を生み出して支配する可能性くらいは与えてくれるだろう。

スーパースター企業の出現は、時代を形成するのに多くの点で役立ってきた。とりわけ、デジタル界の巨人たちはインターネット(いわゆるネットワーク効果)とビッグデータを巧みに活用して莫大な利益を生む企業になった一方で、無料のWeb検索や便利なオンライン・ショッピングなどの不可欠なサービスや、生活を一変させるようなデバイスを提供してきた( 「ビッグ5が支配する デジタル・エコノミーは 何をもたらしたのか」を参照)。

しかし、スーパースター企業になるのはインターネット関連企業だけではない。ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の経済学者による最近の調査報告書によれば、スーパースター企業(著者たちは対象産業における最大の企業4社と定義している)による売上のシェアは、運輸や金融サービスに至るまで、調査対象としたすべての分野で急上昇している。売上がスーパースター企業に集中する傾向は加速していると、ハーバード大学の経済学者であるローレンス・カッツ教授と共著者はいう。この傾向は過去10年間で、様々な産業と先進諸国のいたるところで、より一様に見られるようになった。スーパースター企業による支配は、急速 …

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