KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
茶色くならない
遺伝子組み換えリンゴは
消費者にウケるか?
Okanagan Specialty Fruits Inc
カバーストーリー 無料会員限定
GM Apples That Don’t Brown to Reach U.S. Shelves This Fall

茶色くならない
遺伝子組み換えリンゴは
消費者にウケるか?

米国企業が、遺伝子操作で茶色く変色しないようにしたリンゴを今秋から店頭で販売する。商品パッケージに遺伝子組み換え食品の表示がないので消費者団体などの反発が予想されるが、開発者は変色しないリンゴはリンゴの売上を伸ばし廃棄を減らす可能性があるとしている。 by Andrew Rosenblum2017.10.12

米国の合成生物学分野の複合企業が、今秋から遺伝子組み換えリンゴを販売する予定だ。「アークティック(Arctic)」と呼ばれるこのリンゴは「遺伝子組み換え食品(GMO)」の表示なしで販売される。

アークティックリンゴは、変色を抑制するように遺伝子操作がされており、米国中西部と南カリフォルニアの最大400店舗で袋入りカットリンゴとして販売される。アークティックリンゴの発売は、生産者の生産性向上よりも消費者へのアピールを意図した遺伝子組み換え食品が受け入れられるかどうか、初の重要な試金石となる。

アークティックリンゴは、ゴールデンデリシャスリンゴの遺伝子を改変したリンゴで、非公開企業のオカナガン・スペシャルティ・フルーツ(Okanagan Specialty Fruits)が開発した。オカナガンは2015年にメリーランド州のバイオテク企業イントレクソン(Intrexon)に4100万ドルで買収されており、イントレクソンの他の事業部ではすでに、遺伝子組み換えサーモン、クローン牛、自らを絶滅させる蚊を市場に出している。

イントレクソンはアークティックリンゴを袋入りカットフルーツとして販売する予定だが、「遺伝子組み換え技術を利用して生産しました」と表記するつもりはなく、遺伝子組み換え食品であることを示す包装デザインもしないという。その代わり、2016年の表示法で認められた通り、リンゴの生産方法を詳しく記したWebページにリンクするQRコードを掲載するという。

10月第一週にサンフランシスコで開かれたプレゼンテーションで、オカナガンの創設者兼社長であるニール・カーター(Neal Carter)は …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る