KADOKAWA Technology Review
×
12/16開催 「再考ゲーミフィケーション」イベント参加受付中!
人工知能についていま、
考えなければならないこと
Photograph by Roxana Purdue
カバーストーリー 無料会員限定
The AI Issue

人工知能についていま、
考えなければならないこと

人工知能(AI)に対する脅威がまことしやかにささやかれているが、AIはまだ幼年期にあるに過ぎない。人間が手にする新たなツールが、人間をどのように変え得るかについては慎重に考える必要がある。 by Brian Bergstein2017.11.10

2011年に発行された名著『機械より人間らしくなれるか?:AIとの対話が、人間でいることの意味を教えてくれる(The Most Human Human: What Talking to Computers Teaches Us About What It Means to Be Alive)』(草思社刊)の中で、著者のブライアン・クリスチャンは自身の経験を明かしている。その経験とは、ローブナー賞の名で知られる風変わりな競技会で「人間側」として参加したときのことである。この競技会は、コンピューターの知能の測定法に関するアラン・チューリングの提案に端を発したものだ。

ローブナー賞の競技では、各ラウンドで人間の審査員がコンピューターの前に座って、見えない2つの相手とテキストによるチャットをする。審査員がチャットする相手は、片方が人間で、もう片方がソフトウェア・プログラム、つまりチャットボットである。審査員はどちらがどちらであるかを予想する。人間であると最も誤解させたチャットボットを制作したプログラマーが賞金を得る。ちなみに、もう賞はもう1つあり、クリスチャンの興味を引いたのはそちらの受賞者だ。その賞は、コンピューターに間違えられることが最も少なかった人間、すなわち最も人間らしい人間に与えられるのだ。

チャットボットの開発者が直面している課題は想像がつく。人間が会話をするときの大まかな作法と言語処 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Google’s antitrust gut punch and the Trump wild card グーグルに帝国解体の危機、米司法省がクローム売却も要求
  2. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #31 MITTR主催「再考ゲーミフィケーション」開催のご案内
  3. Four ways to protect your art from AI  生成AI時代の自衛術、 あなたのアート作品を スクレイピングから守る方法
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る