KADOKAWA Technology Review
×
日本発・世界を変える「U35 イノベーター」募集中!
体内での遺伝子編集が初実施、本当に必要な子どもたちへ届くか
UCSF Benioff Children’s Hospital Oakland
ニュース 無料会員限定
A New Gene-Editing Therapy Would Benefit Kids Most—Here’s Why They Won’t Get It Yet

体内での遺伝子編集が初実施、本当に必要な子どもたちへ届くか

遺伝性の希少疾患であるハンター症候群の患者の平均寿命は10~20歳だ。先に、ハンター症候群に遺伝子療法を適用する臨床試験の実施が発表されたが、米国食品医薬品局が子供への適用には制約があり、最も治療を必要とする子供の患者が試験に参加できずにいる。 by Emily Mullin2017.11.20

アメリカのある患者が、人体内でDNAのエラーを編集する実験的治療の注射を受ける第一号の患者となった。体内で遺伝子編集を利用して細胞を修正することは画期的な科学的進歩の表れだ。だがこのケースは、医療における厄介なジレンマを示すものでもある。

治療の第一号の患者となったアリゾナ州のブライアン・マドゥー(44才)は遺伝子編集を利用したハンター症候群の臨床試験に参加している。この病気は代謝疾患の一つで、体内の細胞を徐々に破壊する。ハンター症候群を患って生まれた人の平均寿命は10~20歳であるため、患者のほとんどは子供だ。今のところ、マドゥーの参加する治験は大人のみを対象としている。そのため生き延びるために治療を切に必要としてる若い患者たちは、治療を受けられるようになるまで待たなければならないのだ。

米国食品医薬品局(FDA)は企業に対して、治療を子供に適用する前に、大人に対して安全であることを証明するように求める。今回の治験を実施しているサンガモ・セラピューティクス(Sangamo Therapeutics)は、子供が治験に参加するのを許可する前に、現在の治験で成人患者9人を治療することを目指している。だがサンガモのサンディ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Trajectory of U35 Innovators: Akito Noiri 野入亮人:シリコン量子ビットで大規模化の壁に挑む研究者
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. What Anthropic’s latest AI discovery does—and doesn’t—show Claudeの「頭の中」は本当に見えたのか、AI担当編集者に聞く
  4. Why heat pumps are still so hot in the US 税額控除終了後も売れ行き好調、米国ヒートポンプ市場の底堅さ
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る