KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
ステーブルコインの発明で暗号通貨は本物の「通貨」になれるのか
James Olstein
ニュース Insider Online限定
“Stablecoins” are trending, but they may ignore basic economics

ステーブルコインの発明で暗号通貨は本物の「通貨」になれるのか

暗号通貨を本物の通貨として使えるようにするには、現在のような激しい価格変動が伴う仕組みを変える必要がある。価格を法定通貨の価格に固定させた暗号通貨「ステーブルコイン(安定通貨)」に対する関心が高まっている。 by Mike Orcutt2018.06.14

十分に時間をかけて暗号通貨の世界に投資するか、あるいは暗号通貨に関する記事を読めば、この世界には付き物の乱高下する予測不能な価格変動に少しうんざりするのがオチだ。しかし、必ずしもそうではないと言っているブロックチェーン開発者がいる。彼らの主張によれば、価格安定化の秘訣は、暗号トークンの価格を米ドルのような法定通貨の価格に固定することだという。

暗号通貨原理主義者は「冒涜だ!異端だ!」と叫ぶだろう。怒濤のような時流の波に乗った暗号通貨コミュニティの強硬派たちは、暗号通貨は法定通貨を置き換えるために発明されたもので、法定通貨との共存はあり得ないと確信しているからだ。「ステーブルコイン(安定通貨)」に対する正当な批判も山ほどある。このコンセプトは概して実現不可能だとする意見もある。それにもかかわらず、最近ステーブルコインは多くの関心と多くのベンチャー・キャピタルを惹きつけている。ステーブルコインについて見ていこう。

ステーブルコインの考えは実は数年前からある。ドルに価格固定されたトークン、たとえばテザー(Tether)やトゥルーUSD(TrueUSD)は一部の暗号通貨取引所ですでに入手できる。だが、最近の新規暗号通貨公開(ICO)を巡る熱狂が新たな種をまいたことで、ステーブルコインを構築する様々な手法が生まれた。これらの手法は大まかに3つに分類される。

1つ目は、銀行口座にある現金でトークンの価値を裏付ける方法である。これは、ドルに価格固定された最も人気のある暗号通貨、テザーが機能する仕組みだ。少なくともテザーの発 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
  4. How to help friends and family dig out of a conspiracy theory black hole 家族が陰謀論にハマったら: 専門家が語る、 5つの現実的アプローチ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る