機械学習でもっとおいしく、
AIが変える農業の「常識」
機械学習やデータサイエンスの技術を利用して農業技術を改善しようとする取り組みが広まっている。MITの研究者らが機械学習を応用してバジルの風味を改良した研究を発表したほか、多国籍企業のバイエルは収穫に焦点を当てたデータサイエンスのチームを社内に発足させている。 by Will Knight2019.04.09
バジルはどうすればもっとおいしくできるだろうか?もしかすると、その答えは人工知能(AI)かもしれない。
機械学習を利用して、格段においしいバジルが生み出された。その味を直接お伝えできないのは残念だが、この取り組みはデータサイエンスと機械学習を用いて農業技術を改善するという広範なトレンドを反映している。
AIで最適化されたバジルを生み出した研究者らは、バジルの香りのもととなる揮発性化合物の濃度を最大化させる栽培環境を、機械学習を使って特定した。この研究は4月3日付けで科学雑誌「プロス・ワン(PLOS One)」に掲載された。
このバジルは、改造した輸送コンテナ内に設置した水耕栽培ユニットを使って、マサチューセッツ州ミドルトンで栽培された。コンテナ内の温度、照明、湿度その他の環境要因は、自動制御されるようにした。 研究者らはガスクロマトグラフィー法と質量分析法を用いて特定の化合物を検出することでバジルの風味を調べた。そして、その結果のデータを、マサチューセッツ工科大学(MIT)とコグニザント(Cognizant)が共同開発した機械学習アルゴリズムに与えた。
研究の結果、直感に反して、1日24時間光を当て続けることで、もっとも良い風味が得られることがわ …
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