KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
「ゲームが犯罪の元凶」は人種差別の隠れ蓑だった
Selman Design
人間とテクノロジー 無料会員限定
The connection between video games and mass shootings isn’t just wrong—it’s racist

「ゲームが犯罪の元凶」は人種差別の隠れ蓑だった

銃乱射事件などの凶悪な犯罪が起こるたびに、暴力的なビデオゲームの影響を指摘する声がある。だが、米国での新研究によると、容疑者の人種によって人々が想像する原因には差があり、メディアの報道にも偏りがあることが分かった。 by Tanya Basu2019.09.19

ビデオゲームはこれまで、銃乱射などあらゆる種類の暴力的行為の原因だと誤って非難されてきた。新たな報告は、それが誤りであるばかりでなく、人種に関する根強い偏見に基づいていると主張している。

学術誌「サイコロジー・オブ・ポピュラー・メディア・カルチャー(Psychology of Popular Media Culture)で9月16日に発表された論文は、前述した結論を2つの実験・分析から引き出している。1つは、銃撃事件を脚色した記事を169人の大学生に読んでもらい、原因について話し合ってもらうことだ。そしてもう1つは、スタンフォード大学の過去40年にわたる「米国における銃乱射事件」プロジェクトから入手した204件の銃乱射に関する20万本のニュース記事を分析することだ。

1つ目の実験では、参加者(88%が白人、65%が女性)はビデオゲームにはまっているとされる18歳の男性犯人についての架空の記事を読んだ。その際、参加者の半数にはアフリカ系米国人男性の顔写真が渡され、残り半数には白人男性の顔写真が手渡された。

次に、大学生たちに次の2つの意見について同意する度合いを、「まったくそう思わない」を1、「その通りだと思う」を7としてランク付けしてもらった。1つは、犯人が暴力的なビデオゲームで遊んでいた経歴はおそらく犯罪を起こす一因となったというもので、もう1つは、犯人の犯罪は暴力的なビデオゲームとは関係ないというものである。

今回の研究の共同執筆者で、ビラノバ大学の対人関係研究研究所(Interpersonal Research Laboratory)の所長を務めるパトリック・マーキー教授は、犯人が白人である場合にビデオゲームが一因だと強く同意する人数と、犯人が黒人である場合に同様に考える人数の差は小さいものの、統計的に有意な違いがあることを発見したという。

研究の2つ目の手法であるメディア報道の分析では、レクシスネクシス(LexisNexis)データベースのキ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る