KADOKAWA Technology Review
×
迫り来る地球温暖化の「臨界点」、気候科学者が警鐘
Unsplash / Annie Spratt
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Why we should be far more afraid of climate tipping points

迫り来る地球温暖化の「臨界点」、気候科学者が警鐘

あと10年程度で温暖化によって地球の生態系が回復できない地点まで到達してしまうかもしれない。抜本的な措置を講じなければならないのは「今」なのだ。 by James Temple2019.12.13

科学者は何十年にもわたって、地球温暖化が危険な臨界点に達し、熱帯雨林、氷床、サンゴ礁を実質的に不可逆な死のスパイラルに追い込む可能性があると警告してきた。

これらの崩壊によって、海面が上昇し、海洋生物は大きな打撃を受け、世界中の気温と降雨量を左右する海洋と大気の循環パターンの混乱が起こるだろう。森林の死によって膨大に貯蔵された温室効果ガスが放出し、氷の融解は地球の(太陽光の)反射率を低下させ、双方の理由で温暖化はさらに加速し、より多くの臨界点を迎えるリスクが高まる。

こうした事態は壊滅的だが、研究者は実際に発生する可能性は低いと信じていた。しかし、11月末のネイチャー誌に掲載された論説は、壊滅的な事態が実際に引き起こされる危険性のあるしきい値に、私たちが急速に近づいていると警告している。さらに、これらの事態はかつて考えられていたよりも相互に強い関連を持っている可能性が高く、「地球規模の臨界点が次々と発生することで、生息が難しい『温室』気候状態が引き起こされる」確度 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
  4. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る