KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
SNSで存在感増す陰謀論、
「Qアノン」とは何か?
Unsplash/@dole777
人間とテクノロジー 無料会員限定
It’s too late to stop QAnon with fact checks and account bans

SNSで存在感増す陰謀論、
「Qアノン」とは何か?

陰謀論を拡散する「Qアノン(QAnon)」がソーシャルメディアで存在感を増している。ツイッターやフェイスブックが対抗策を打ち出したが、「全体的な情報エコシステムの見直し」なしに抜本的な解決は難しい。 by Abby Ohlheiser2020.07.30

ツイッターは、極右勢力が意見を拡散するのに最適なツールだ。トレンドトピックを操作しやすいうえ、報道関係者にじっくりと見てもらえるし、運がよければ米国大統領にリツイートされる可能性すらある。

進化し続ける親トランプ派の陰謀論集団「Qアノン(QAnon)」は、インターネット上で有名になった他のイデオロギーと同様にツイッターをうまく利用しており、ツイッターを使って情報、注目、拡散のすべてを同時に操作している。7月21日、ツイッターはQアノンのツイッター上での繁栄阻止に向けた一歩を踏み出した。陰謀論を宣伝する約7000のアカウントを削除し、Qアノンを「組織的な有害行為」と指定。関連する用語がトレンドや検索結果に表示されないようにしたのだ。

「複数アカウント・ポリシーに違反していること、個々の被害者の周囲の暴言を調整していること、あるいは以前のアカウント停止を逃れようと試みていることが分かっている、これらのトピックをツイートしているアカウントを永久に停止します」とツイッターは発表した。併せて、ここ数週間でこれらの活動が増加しているのを確認しているとも付け加えた。

ニューヨーク・タイムズ紙は、フェイスブックが来月、「プラットフォーム上のQアノン・コンテンツが目につかないようにするために同様の措置を講じる」ことを計画していると、匿名を条件に話した同社の従業員2人からの情報を報じた。7月24日には、ティックトック(TikTok)が、検索結果から Qアノンに関連するハッシュタグの一部をブロックした。

Qアノンの影響力を抑えることに向けた最近の動きは、陰謀論が主導する注目度の高い2つの活動を受けてのものだ。1つ目は、ツイッターのフォロワー数が1300万を超える著名な米国人モデルであるクリッシー・テイゲンが、酷い嫌がらせ行為の標的となったことである。2つ目は、ごく最近に、家具販売サイトであるウェイフェア(Wayfair)に関する事実無根の人身売買陰謀論を拡散するのにQアノンのアカウントが使われたことだ。その主張は、ツイッターのトレンドリストから、インスタグラムやティックトックのアカウントへと拡散され、フォロワーたちに広められた。

「その活動は、長年にわたりオンライン上で実施されてきた組織的な嫌がらせ行為問題への注目度を高めました。こうした類の集団による嫌がらせ行為は、人々の生活に重大な影響を及ぼします」と語るのは、スタンフォード大学「インターネット観測所」(Stanford Internet Observatory)の研究部長で、ネット上のデマの専門家でもあるレニー・ディレスタだ。

しかし、ツイッターを使いこなすスキルは、Qアノンが影響力を及ぼす理由のほんの一部に過ぎず、各プラットフォームがいかにして非主流派の考えや有害な活動を増幅させているかを示す一例に過ぎない。専門家によると、Qアノンを実際に止めるには、より多くの作業と調整が必要だという(まあ、止められるとしての話だが)。

包括的陰謀論

2017年後半、ドナルド・トランプ大統領が記者会見で「嵐の前の静けさ」について皮肉を言った後、掲示板の4チャン(4chan)に、「Q」がヒラリー・クリントンの逮捕を予言したという謎の投稿が相次いだことからQアノンが生まれた。ヒラリー・クリントンの逮捕は実現しなかったが、「Q」は投稿し続けており、トランプ大統領の敵を逮捕するために同大統領が主導する秘密計画の全貌を知っていると主張している。

「Qアノンは、ソーシャルメディアで始まったマルチプラットフォームでの会話を起源とします。ハンドルネームを使用するため、心配することなく自由に発言できるのです」。ハーバード大学ショレンスタインセンターの「テクノロジーと社会の変革(Technology and Social Change)」プロジェクトのブライアン・フリードバーグ上級研究員は語る。Qアノンの投稿は、アカウント停止を受けて次々と移動し、今では「8クン(8kun)」という掲示板にある。

Qアノ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る