フラッシュ2022年2月23日
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可動部が一切ない自動運転車用LIDAR、産総研発ベンチャーが開発
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]ステラビジョン(SteraVision)は、スキャナーの可動部を一切なくしたソリッドステート・ライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)を開発した。モーターなどで光ビームを移動させる従来方式における信頼性の問題を解消すると同時に、シンプルな構造にすることで量産性を向上させた。可動部が一切ない自動運転用ソリッドステート・ライダーは世界初だという。
自動車の自動運転の実現を支える技術として、レーザー光を照射・走査して対象物までの距離を計測したり、性質を特定したりするライダーが注目されている。だが、従来型のライダーはモーターやミラーを動かして光ビームをスキャンさせるため、金属疲労などによる動作停止といった信頼性の問題や、外部振動に起因する不安定性の問題があった。
ステラビジョンは今回、可動部が一切ない液晶を用いて、光の偏光方向を高速でスイッチすることで光ビーム・スキャンする方式を開発した。さらに、スキャナーと光コヒーレント技術を組み合わせることで、遠方や濃霧といった「霧の先」の物体検出と、速度の直接検出を可能にした。
ステラビジョンは2016年設立の産総研発ベンチャー。今回のライダーは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の「長距離・広視野角・高解像度・車載用LiDARの開発」において開発された。サンプルの出荷開始は2022年7月ごろを予定する。
(中條)
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