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お値段10分の1のAirPods補聴器はどれぐらい使える?
Courtesy of Apple
Apple AirPods : a gateway hearing aid

お値段10分の1のAirPods補聴器はどれぐらい使える?

米国食品医薬品局(FDA)が昨年承認したAirPods Pro 2の補聴器機能。軽度から中等度の難聴に対応するという触れ込みだが、筆者が普段使っている2000ドルの処方箋補聴器と比べて実用性はどうなのか。実際に使ってみた。 by Ashley Shew2025.08.22

この記事の3つのポイント
  1. アップルがAirPods Pro 2を市販補聴器として使用できるソフトウェアを開発
  2. FDAが2024年9月に承認し従来の高額な補聴器市場に変化をもたらした
  3. 実際に使用すると性能は普通レベルだが、大手テック企業参入の可能性に期待
summarized by Claude 3

2024年9月、およそ200ドルで手に入るアップルのAirPods Pro(エアポッズ・プロ)を市販補聴器に変えるソフトウェアが米国食品医薬品局(FDA)に承認されたとき、私は思わず胸が高鳴った。私は軽度から中等度の難聴と耳鳴りがあり、日常使いのプログラム済み補聴器には2000ドル強を費やしている。これは、聴覚専門医が5000ドルの補聴器を勧めた後に選んだ、より低価格な選択肢だった。

米国の健康保険は一般的に補聴器の費用をカバーしていないため、補聴器の利用者の大多数は、デバイス本体およびそのメンテナンス費用を自己負担している。補聴器市場の90%は少数の企業に集中しており、競争的な価格設定はほとんど見られない。典型的な患者は聴力検査専門のクリニックで聴力検査を受け、オージオグラム(音の周波数に対して聞こえる音量の閾値を示すグラフ)を取得し、その後に補聴器の推奨を受ける。この一連の流れは、時に強引な営業トークのように感じられることがある。

価格は今後下がっていくはずだ。2022年10月、FDAは、処方箋や聴力検査なしに購入できる市販補聴器の販売を承認した。これらの補聴器は約200ドルから購入できるが、処方箋補聴器との違いは、ドラッグストアで売られている老眼鏡と処方レンズの違いに相当する。

AirPods Pro 2では、アップルは従来とは少し異なる製品を提供している。通常のイヤホンとして使える一方で、市販補聴器と同様の機能を多数備えているのだ。大手テック企業がこの分野に参入したことに、私は非常にワクワクしている。

軽度の難聴において特に重要なのは、プログラム可能性、Bluetooth機能、そして両耳に音を届ける能力である。これらの機能は多くの補聴器に備わっているが、一部の市販補聴器は十分な堅牢性と信頼性に欠ける。

iPhone screen mockup
アップルのソフトウェアでは、スマートフォンでAirPods Pro 2を通じて聴力検査を受けられる。その後、スマホはそのデータを使用してデバイスをプログラムする。
COURTESY OF APPLE

AirPods Proの「聴覚健康体験」では、スマートフォンを使ってイヤホンを通じて聴力検査を実施でき、そのデータを用いて補聴器が自動的に調整される。これにより、聴覚専門医を訪れる必要もなければ、「難聴は早期の認知機能低下と関連する」というポスターが貼られた待合室に座ることも、費用に悩む憂鬱な瞬間に直面することもない。

私はAirPods Pro 2が本当に優れていることを願っていたが、実際には「普通」だった。軽度の難聴者に対して補聴器の一部機能の有用性を試す機会を提供するものの、いくつかの欠点もある。処方箋補聴器は私の耳鳴りに効果があるが、AirPodsを1日中装着すると、かえって悪化することが分かった。成人の10~15%が耳鳴りを経験するとされており、耳鳴り管理機能は将来的にアップルが追求すべき、あるいは追求したいと思う機能かもしれない。また、このデバイスは耳道全体を塞ぐため、不快感を覚えたり、長時間の使用で外耳炎を引き起こしたりする恐れがある。人によっては、これほど大きなデバイスを常時装着することに違和感を覚えるかもしれない。補聴器使用者というよりも、「音楽を聴いているから話しかけないで」と示すサインのように見える可能性もある。

その他の欠点の多くは、同等の市販補聴器や、一部の処方箋補聴器にも共通する。音質の低さ、音の識別力の不足、混雑した部屋のような特定の音環境での聞き取りづらさなどである。確かにAirPodsは私の使用している10倍の価格の補聴器ほど優れてはいないものの、ここには非常に大きな可能性があると思う。

アシュリー・シューは『Against Technoableism: Rethinking Who Needs Improvement(テクノ健常主義に抗して:誰が改善を必要とするのかを再考する)』(2023年、未邦訳)の著者。

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