ロボットのピザ配達
ロンドンで数週間以内に実用化
もうすぐロンドンでピザやサンドイッチの配達を始めるスターシップテクノロジーズ製車輪型ロボットは人間社会でどんな経験をするだろうか。 by Will Knight2016.07.07
あと数週間もすると、ロンドンでは小型ロボットがピザやサンドイッチを配達するようになる。車輪型ロボットを製造するスターシップテクノロジーズが、出前サービスを展開するスタートアップ企業ジャスト・イートとプロント(日本のカフェチェーンPRONTOとは無関係)の2社と契約を結んだのだ。
ロボットは世界有数の都市ロンドンで独り立ちできるのだろうか。出前中のロボットからカツアゲする人間はいるのだろうか。
ロボットが人間の生活圏で活動するのは初めてではない。店舗やホテル、駐車場など、ロボットは急速に活動範囲を広げている。しかし、ロボットが屋外で、舗装道路で通行人に混じって移動するには未知の問題が残されている。たとえば、人とロボットは、どちらが道を譲るべきだろうか。
スターシップのアラン・マーティンソンCOO(最高業務執行責任者)によれば、スタートアップが直面した最も難しい問題の1つは、好奇心旺盛な、あるいは困惑する人々に上手く対処するロボットを設計することだ。そこでスターシップは、社員がロボットの後をついていき、問題発生時に割って入れるようにしているという。だが、これまで「40万人と遭遇したロボットに、いまのところトラブルはありません」という。
深夜の出前はロボットにも危険だろう。米国フィラデルフィアでは、ヒッチハイクロボット「ヒッチボット」がバラバラにされてしまった。人間は、残念ながら、人目につかない場所では、疑うことを知らないロボットにかなり冷酷なのかもしれない。
さて、道に迷わず、カツアゲにも遭わず、ロボットが無事に配達先の玄関にたどり着いたとしよう。ロボットはチップを期待して、ジっと待ったりはしないはずだ。
関連ページ:
- Engadget
- CNN
- “Robots Are Invading Malls (and Sidewalks) Near You”
- “Robots Learn How to Make Friends and Influence People”
- 人気の記事ランキング
-
- Three reasons robots are about to become more way useful 生成AI革命の次は「ロボット革命」 夢が近づく3つの理由
- Job titles of the future: AI prompt engineer 未来の職種:LLMを操る「プロンプト・エンジニア」は生き残るか
- Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
- This solar giant is moving manufacturing back to the US 「米国産、十分ペイできる」 太陽光大手メーカーが語った 生産回帰の勝算と課題
タグ | |
---|---|
クレジット | Photograph courtesy of Starship Technologies |
- ウィル ナイト [Will Knight]米国版 AI担当上級編集者
- MITテクノロジーレビューのAI担当上級編集者です。知性を宿す機械やロボット、自動化について扱うことが多いですが、コンピューティングのほぼすべての側面に関心があります。南ロンドン育ちで、当時最強のシンクレアZX Spectrumで初めてのプログラムコード(無限ループにハマった)を書きました。MITテクノロジーレビュー以前は、ニューサイエンティスト誌のオンライン版編集者でした。もし質問などがあれば、メールを送ってください。