KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
遺伝子検査で胚を選別、広報役は米国初の「試験管ベビー」
MITTR | Photos: Elizabeth Carr, Life Magazine L
生物工学/医療 Insider Online限定
America’s first IVF baby is pitching a way to pick the DNA of your kids

遺伝子検査で胚を選別、広報役は米国初の「試験管ベビー」

体外受精で作られた複数の胚の遺伝子検査をして、将来、疾患にかかるリスクが最も小さい胚を選べるようにするサービスが登場した。提供会社の広報を務める米国初の「試験管ベビー」が、自身の生い立ちやサービスの内容について語った。 by Antonio Regalado2023.05.11

エリザベス・カーは、ゲノミック・プレディクション(Genomic Prediction)というスタートアップ企業の事業開発責任者を務めている。ニュージャージーを拠点とする同社のサービスのうたい文句は、IVF(体外受精)クリニックで作られた胚を調べて、この先、一般的な疾患にかかるリスクを算出してランク付けし、最も将来の明るい胚を両親が選べるようにするというものだ。

こうしたサービスには賛否両論あり、優生学を実現する消費者向けサービスになるとして批判を強める人もいる。米国臨床遺伝・ゲノム学会(The American College of Medical Genetics)はこの3月、検査は実証されておらず、医療で用いるには「まだ不適切」であるとした。

それでも、ゲノミック・プレディクションが胚の「健康スコア」を算出できるという話はメディアの報道でも広がっており、同社自身も、IVFクリニックや会合などで自社の検査を売り込み始めている。

営業とマーケティングを担当するカーは、まさに同サービスの広報役として適任かもしれない。なぜなら、カーは米国で体外受精で生まれた最初の人物であり、「米国初の試験管ベビー」として1981年に大きく報道された人物だからだ。

カーがゲノミック・プレディクションの検査と、自身の独特の生い立ちについて、MITテクノロジーレビューに語った。

カーが自身の出生について知ったきっかけ

「両親は、私の出生について、『何人かのとても特別なお医者さんや科学がなければ、あなたを授かることはできなかった』と説明してくれました」とカーは言う。カーには、特に印象に残っている記憶がある。それは、カーの出生の様子を記録したノバ(Nova)のドキュメンタリーの上映会に出席した時のことだ。カーの両脇に座っていたのは、IVFのパイオニアで、彼女をバージニア州の実験室で作り出した、ハワード&ジョージアナ・ジョーンズだった。「ドキュメンタリーを観ている間も、両脇の科学者から、『この時には、こんな理由でこうしたんだよ、あんな理由でああしたんだよ』と聞かされていました」とカーは言う。

キャリアパス

カーはまず、医療ジャーナリストになった。ボストン・グローブ(Boston Globe)に15年間在籍し、ボストンマラソン …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. This company claims a battery breakthrough. Now they need to prove it. すべてのパラメーターが矛盾——「出来すぎ」全固体電池は本物か?
  2. OpenAI’s “compromise” with the Pentagon is what Anthropic feared アンソロピック排除の裏で進んだオープンAIの軍事契約、その代償は
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る