KADOKAWA Technology Review
×
日本発・世界を変える「U35 イノベーター」募集中!
どの被告人を保釈すべきか
機械学習で裁判官に助言
Jon Han
カバーストーリー 無料会員限定
How to Upgrade Judges with Machine Learning

どの被告人を保釈すべきか
機械学習で裁判官に助言

どの被告人を保釈すべきか、機械学習の試験運用で裁判官の判断を高精度に補助できることがわかった。有色人種への偏見が減り、拘留の必要のない被告人を保釈できれば、米国で多額の税金が使われている収監費用も削減できる。 by Tom Simonite2017.03.07

裁判を待つ刑事被告人のうち、誰を保釈し、誰を拘置所に拘留しておくべきなのか? ソフトウェアによって裁判官の判断を補助し、保釈中の再犯件数や刑事裁判中に収監される被告人の数を削減すれば、米国で多額の税金が使われている収監費用を削減できる可能性がある。

全米経済研究所(NBER)は、経済学者とコンピューター科学者による新たな研究で、ニューヨーク市で発生した事件のデータ数万件により、逮捕歴と裁判記録から被告人の逃亡可能性を予測するアルゴリズムを開発した。機械学習の訓練に使わなかった事件のデータ約10万件で試験したところ、アルゴリズムは、被告人が保釈中におとなしくしているか、裁判官よりも的確に予測できることがわかった。

この研究に携わったコーネル大学のジョン・クラインバーグ教授(コンピューター科学)によると、プロジェクトの目的は、刑事司法制度に機械学習を導入することで社会が得られる潜在的利益を政策立案者に示すことだ。スタンフォード大学やハーバード大学、シカゴ大学の研究者と共同で研究に取り組んだクラインバーグ教授は「研究結果から、熟練の専門家でさえ判断に悩む場合でも、機械学習が有用だとわかりました 」という。

研究チームの見積もりでは、アルゴリズムの助言によって、ニューヨーク市は拘置所に収監する未決囚を増や …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. The UK’s generational tobacco ban might not work. I’m supporting it anyway. 2009年以降生まれには一生売らない——英「たばこ根絶」への賭け
  3. AI agents are not your “coworkers” AIエージェントの「従業員化」、作業ミスの見逃しを招く
  4. IBM has unveiled chip technology that could help extend Moore’s Law another decade 微細化の限界を超え、IBMがムーアの法則を10年伸ばす積層チップ
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る