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世界最大のEVメーカー BYDが海運に進出する理由
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Why the world’s biggest EV maker is getting into shipping

世界最大のEVメーカー BYDが海運に進出する理由

中国の電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)は、海外における自社製品の爆発的人気を受け、新たに自社海運船を建造して輸出を伸ばそうとしている。 by Zeyi Yang2024.01.31

1月上旬、1隻の巨大な船が、中国北部と南部の2つの港で5000台以上の電気自動車(EV)を積み込んだ。5日後、船はシンガポールを通過し、現在はインドに向かっている。だが、最終目的地であり、EVの大部分が販売されるのは欧州だ。

船の名前は「BYDエクスプローラーNo.1」。比亜迪(BYD)が建造する巨大船団の先陣を切ったこの船は、海運ビジネスを確立し、世界の自動車貿易において新たな役割を担おうという、中国企業の野望を物語っている。

中国の冶金学者だった王伝福が1995年に創業したBYDは、モバイル・デバイス向けの小型電池(バッテリー)製造企業としてスタート。後に自動車へとビジネスを拡大し、やがて両者を組み合わせてEVの製造に乗り出した。20年後には、中国最大のEVメーカーとなり、2023年第4四半期には世界のトップに君臨した。

BYDのEVラインナップは安価なセダンから高級SUVまで多種多様で、海外需要も高まっている。2023年には24万台以上のEVを輸出し、2022年の5.5万台を大幅に上回った。だが、思わぬ障害が立ちふさがった。爆発的な人気のある海外で稼ぐには、EV事業から海運事業へと拡大しなければならなくなったのだ。

自動車輸送船の不足

BYDがなぜ決断を下したのか。それを理解するには、自動車がどのように海を超えて輸送されるかについて知る必要がある。通常、貨物業界ではロールオン・ロールオフ(RORO)船が利用される。クレーンで貨物を持ち上げて積み込む船とは異なり、RORO船は車を直接乗り入れられるスロープを備えているため、積載プロセスがはるかに容易だ。

だが、こうした船の供給が、ここ数年逼迫している。古い船がリタイアする一方、2008年の金融危機、業界全体の環境配慮型燃料への転換を受けて、新造船の注文が減少したことで不足が生じているのだ。

加えて、ほとんどの自動車メーカーは既存の海運会社との長年の関係を確立しているか、自社船を保有している。例えば、日産やトヨタのような日本の自動車メーカーはいずれも複数のRORO船を所有し、数万台規模の自動車輸送能力を持つ。だが、中国国内にある自動車輸送船は全世界の輸送能力のわずか2.8%を占めるのみであり、中国メーカーには自社製品を海外輸出するため …

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