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ヘイト対策は「検閲」、
米国が人権団体を入国禁止に
言論の自由めぐり米欧が対立
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | Getty Images
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What it’s like to be banned from the US for fighting online hate

ヘイト対策は「検閲」、
米国が人権団体を入国禁止に
言論の自由めぐり米欧が対立

ドイツのデジタル権利非営利団体ヘイトエイドの2人の理事は昨年末、米国税関・国境警備局から米国入国を禁止するとの通告を受けた。2人の理事はなぜトランプ政権の標的となったのか、どのように使命を遂行し続けているのかをレポートする。 by Eileen Guo2026.01.29

この記事の3つのポイント
  1. 米国がドイツの非営利団体ヘイトエイド理事らを入国禁止処分とし、EU規制支持者への報復を開始した
  2. 同団体はネット上嫌がらせ被害者支援とEUデジタルサービス法執行で右派から検閲批判を受けていた
  3. テック企業規制阻止を狙う米政府の圧力により市民社会団体の活動萎縮が懸念されている
summarized by Claude 3

クリスマスイブの前日、ベルリンの夕暮れ時、ジョセフィン・バロンに米国税関・国境警備局から予期せぬメールが届いた。彼女の米国への渡航資格が変更され、入国できなくなったという内容だった。

バロンは最初、その理由についてオンラインで情報を見つけることができなかったが、なんとなく思い当たる節があった。彼女は、ネット上の嫌がらせや暴力の被害者を支援するために設立された、ドイツの小さな非営利団体、ヘイトエイド(HateAid)で理事を務めている。ヘイトエイドが欧州連合(EU)のテクノロジー規制を強く支持するようになるにつれて、同団体が検閲に加担していると主張する右翼政治家や扇動家のキャンペーンで攻撃を受けることが増えてきている。

マルコ・ルビオ米国務長官がXに投稿した内容をバロンが目にしたのは、少し後になってからだった。

https://twitter.com/SecRubio/status/2003547575580815814

ルビオ長官は、自らが「検閲産業複合体」と呼ぶ陰謀論を広めていた。これは米国政府、テック企業、市民社会団体が共謀して保守派の声を封殺しているとする主張で、まさにヘイトエイドが最近巻き込まれている陰謀論そのものである。

そして、サラ・B・ロジャース国務次官は、Xに渡航禁止措置の対象となった個人の氏名を掲載した。そのリストには、バロンのほか、ヘイトエイドで同じように理事を務めるアンナ・レーナ・フォン・ホーデンベルクが含まれていた。さらに、類似または関連する取り組みをしている3人の氏名も挙げられていた。欧州デジタルサービス法(Europe’s Digital Services Act:DSA)の起草に携わった元EU委員のティエリー・ブレトン、ソーシャルメディア・プラットフォームにおけるヘイトスピーチを記録するデジタルヘイト対策センター(Center for Countering Digital Hate)のイムラン・アーメド、さらにはヘイトスピーチやデマを助長するWebサイトへの広告掲載について、リスク評価を提供して広告主に警告するグローバル・ディスインフォメーション・インデックス(Global Disinformation Index)のクレア・メルフォードだ。

これは、トランプ政権が言論の自由の名のもとに繰り広げたデジタル権利をめぐる戦いがエスカレートしたものである。しかし、EU当局者、言論の自由の専門家、そして標的となった5人は、検閲という非難をきっぱりと否定している。バロンやフォン・ホーデンベルク、さらにはそのクライアントの何人かは、自分たちの仕事の根底にあるのは、人々がネット上でより安全に感じられるようにすることだと私に語った。そして、ここ数週間で彼女たちが経験したことは、ネット上の安全をめぐる取り組みがいかに政治化され、標的にされているかを如実に示している。このように標的にされるのは、彼女たちが最後ではないことはほぼ確実だ。

フォン・ホーデンベルクに、自分たち2人の氏名がリストに載っていることを伝えたのはバロンだった。「身の毛もよだつ思いでした」と、1月初旬に2人を取材した際、フォン・ホーデンベルクは語った。

しかし、すぐに「これは私たちを黙らせるためのいつもの手口だ」と悟ったとも彼女は付け加えた。これに対して彼女たちは、米国政府が押し付けてきた主張に異議を唱えることから始めた。

数時間のうちに、バロンとフォン・ホーデンベルクは、その主張を強く否定する声明を発表した。そして、「検閲という非難を用いて人権と表現の自由を擁護する者たちを沈黙させようとする政府に、私たちは屈しません」と綴った。「私たちはドイツ政府と欧州委員会に対し、これは容認できないという明確なメッセージを出すことを要求します。さもなければ、いかなる市民社会団体も、いかなる政治家も、いかなる研究者も、ましてやいかなる個人も、今後、米国テック企業による横暴を告発する勇気など持てなくなるでしょう」。

メッセージは迅速に発せられた。ドイツのヨハン・ワーデフール外相はX上で、入国禁止措置を「容認できません」と述べ、「DSAはEUによって、EUのために民主的に採択されたものであり、域外適用の効力はありません」と付け加えた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領もまたX上で、「これらの措置は、欧州のデジタル主権を損なうことを目的とした脅迫と抑圧に相当します」と記した。欧州委員会は、トランプ政権の措置を「強く非難します」という声明を発表するとともに、「民主主義的価値観に沿って経済活動を規制する主権的権利」を再確認した。

アーメド、メルフォード、ブレトン、そして彼らが所属する各団体も、入国禁止措置を非難する声明を発表した。5人のうち唯一米国に拠点を置くアーメドは、国務省が検討を示唆していた自身の拘束を未然に防ぐため、訴訟を起こして勝訴した。

一方、連帯の声明と並行して、バロンとフォン・ホーデンベルクは、より現実的な助言も受けたと語った。渡航禁止措置は始まりに過ぎず、さらなる影響が及ぶ可能性があることを想定すべきという助言だ。サービスプロバイダーは事前にオンライン・アカウントへのアクセスを剥奪するかもしれない。銀行は資金や国際決済システムの利用を制限するかもしれない。自分や依頼主の個人データを入手しようとする悪意のある試みに遭遇するかもしれない。同胞たちは、チームへの給与支払いや家族の食料品購入ができるよう、資金を友人の口座に移す、あるいは現金を手元に置いておくことも検討すべきだと助言してくれた。

これらの警告は、わずか数日前にトランプ政権が国際刑事裁判所の判事2人に対し、「イスラエルへの不当な攻撃」を理由に制裁を科したばかりだったことを踏まえると、特に緊急性を帯びているように感じられた。制裁の結果、彼らはマイクロソフト、アマゾン、Gメールなど、多くの米国テック企業のプラットフォームを利用できなくなった。

「マイクロソフトが、私たちよりもはるかに重要な人物にそんなことをするのなら、ドイツのどこかの人権団体のメールアカウント閉鎖など、なんの躊躇もないでしょう」とバロンは私に語った。

「いま、私たちには暗雲が垂れ込めていて、いつ何が起こってもおかしくない状況です」とフォン・ホーデンベルクは付け加えた。「時間との戦いのなか、適切に対処 …

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