減量薬に「抗老化」効果か、
製薬大手2社が学会発表
心臓年齢で最大4年の差
イーライリリーとノボ ノルディスクは、自社のGLP-1薬を服用した過体重または糖尿病の患者で、老化時計で測った生物学的年齢がプラセボ群より低かったと学会で発表した。ノボ ノルディスクによると、心臓のタンパク質を調べる時計では差が最大4年に達した。ただ、健康な人にも効果があるかどうかは分かっていない。 by Antonio Regalado2026.10.08
- この記事の3つのポイント
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- イーライリリーとノボノルディスクが、GLP-1薬服用患者で生物学的老化が遅くなると発表
- 老化時計による測定で2〜4年の若返り効果が確認され、長寿治療薬としての期待が高まる
- 筋肉量減少などの副作用や健康な人への効果は未証明で、今後1〜2年の臨床研究が鍵となる
人気の減量薬は、体重を減らす以上の効果をもたらす可能性がある。年齢まで巻き戻すかもしれないのだ。
製薬大手イーライリリー(Eli Lilly)とノボ ノルディスク(Novo Nordisk)は、分子レベルの「老化時計」の測定結果によると、自社の薬を服用した患者では老化の進み方が遅くなっていると発表した。
こうした老化時計は、時間の経過とともに蓄積するDNAの変化を調べたり、より新しいものでは重要なタンパク質の量を追跡したりすることで、人の生物学的年齢を評価する。
両社とも、GLP-1薬と呼ばれるこれらの薬を服用した過体重または糖尿病の患者は、プラセボを服用した患者と比べて生物学的年齢が低かったことを明らかにした。ただし、その差は、どの種類の時計を使ったか、どの臓器を調べたかによって大きく異なった。
ノボ ノルディスクのグローバル・プロジェクト・リーダーであるニコライ・ロードによると、全体として差は「2年から3年程度」だったという。ロードは、同社が「複数の臨床試験、複数の組織にわたって、患者の生物学的年齢の改善を確認している」と述べている。
この発見は、GLP-1薬として知られるこれらの薬が老化の根本的な原因に作用しており、真の長寿治療薬となり得るのではないかという、科学者の間で広がる見方をさらに強めるものだ。
「2年という数字は、私に言わせればかなり大きな効果です」と語るのは、老化時計を発明したことで知られるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のスティーブ・ホーバス教授だ。ホーバス教授は、今回明らかになりつつあるデータは、「これらのGLP-1薬が実際にジェロプロテクター、つまり生物学的老化を遅らせ、場合によっては逆転させる可能性すらある薬剤であることの証拠」になり得ると述べている。
両社は先週末に開催された、老化に対する科学的な治療法を模索する学会「エイジング・リサーチ・アンド・ドラッグ・ディスカバリー(Aging Research & Drug Discovery)」で、この研究結果を発表した。そうした探求はまだ明確な成功を収めていないが、一部の科学者は、ノボ ノルディスクのセマグルチド(商品名「オゼンピック」「ウゴービ」)がその実現に近づいていると考え始めている。
「健康に問題を抱える集団においては、これは抗老化薬だと思います」と語るのは、ノボ ノルディスクの分子測定を支援したハーバード大学の生物学者ヴァディム・グラディシェフ教授だ。「しかし、健康な集団においては誰にも分かりません」。
これらの薬は、空腹ではないことを脳に伝えるGLP-1受容体を刺激することで体重減少を引き起 …
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