KADOKAWA Technology Review
×
日本発・世界を変える「U35 イノベーター」募集中!
遺伝子療法はどこまで進んだか? 2017年の5大ブレークスルー
Patrick Kyle
ニュース 無料会員限定
2017 Was the Year of Gene-Therapy Breakthroughs

遺伝子療法はどこまで進んだか? 2017年の5大ブレークスルー

遺伝子療法にとって2017年は、2016年にも勝るブレークスルーの年となった。いくつかの遺伝子療法に対して初めて米国食品医薬品局の認可が下りたことに加えて、稀ながんやいくつかの遺伝性疾患において治癒や寛解の症例が報告された。 by Emily Mullin2018.01.16

2017年は遺伝子療法にとって注目に値する年だった。米国食品医薬品局(FDA)の認可を得たいくつかの遺伝子療法が、米国で初めて市場に登場した。一方、研究者たちは実験的な治療を施した希少疾患や生命に関わる病気の患者たちの目覚ましい治癒の事例などを公表した。

ここ数十年にわたって、病気を治療するために人のDNAを改変するという考えに基づく遺伝子療法は、医学が大きな転換点に差し掛かっていることを象徴している。市場に出回るほとんどの医薬品が症状を改善するだけなのに対し、遺伝子療法は病気の根本の原因となっている遺伝子を修正しようとする。医師や科学者は遺伝子療法が一回だけで済む治療になるだろうと期待している。

2016年末のMITテクノロジーレビューの記事で、遺伝子療法が2016年に大躍進したと書いた。しかし、2017年はさらに重要な年となった。

鎌状赤血球症の治癒

2017年3月、研究者らはブルーバード・バイオ(Bluebird Bio)の開発した実験的な遺伝子療法を受けたフランスの10代の少年の鎌状赤血球症が治癒したと報告した。単一の遺伝子突然変異によって起こる鎌状赤血球症は、米国内で10万人、世界中で数百万人の患者がいる遺伝性の血液疾患だ。科学者らは少年の骨髄から幹細胞を抽出し、赤血球が「鎌状」になるのを防ぐために遺伝子の複製を研究室内で導入して遺伝子を改変した。この処置をした幹細胞を少年の体内に注入して戻すと、骨髄は正常な赤血球を作り始めた。治療後2年以上経 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. The UK’s generational tobacco ban might not work. I’m supporting it anyway. 2009年以降生まれには一生売らない——英「たばこ根絶」への賭け
  3. AI agents are not your “coworkers” AIエージェントの「従業員化」、作業ミスの見逃しを招く
  4. IBM has unveiled chip technology that could help extend Moore’s Law another decade 微細化の限界を超え、IBMがムーアの法則を10年伸ばす積層チップ
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る