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09.0
Cover Story

グーグル・ディープマインドの実験で、数学問題を解く100体のAIエージェントが不正と内部告発をめぐり対立する派閥に分裂した。1体が検証の抜け穴を見つけると、不正は仲間の行動に引きずられるように広がったが、内部告発も同じ速さで伝染し、最終的には24体対14体で告発側が上回った。研究チームは、こうした仲間内の圧力が、エージェント群を規律に従わせる手がかりになり得るとみている。

by Amit Katwala
  1. 提供された肝臓は、移植までの間に機械灌流を受けると、氷上で保存された肝臓に比べて生物学的年齢がおよそ30%低いことが新たな研究で示された。米研究チームが老化時計を用いて103個の肝臓から採取した208検体を分析した結果だ。だが、この「若返り」がレシピエントの体内でどのような意味を持つのかは、まだ分かっていない。

    by Jessica Hamzelou
  2. 犬猿の仲が急接近、AI大手がそろって「減速」訴える不自然さ

    サム・アルトマン、イーロン・マスク、デミス・ハサビス——数カ月前まで対立や競合関係にあった面々が、アンソロピックのアモデイCEOが唱える「AI減速」に一斉に賛同した。しかし警鐘を鳴らす発端となったハッキング事件を調べると、賢すぎるモデルではなく訓練に失敗した欠陥モデルの姿が浮かぶ。彼らが本当に急ぐのは、リスク抑制か自社の火消しか。

    by Will Douglas Heaven
  3. 失明マウスの視力回復に成功、若返りブームの震源となった研究者

    視神経を傷つけて失明させたマウスに、細胞を若い状態に戻す遺伝子治療を注射する。16日後、神経は再生し、マウスは再び見えるようになった。2020年に発表されたこの成果は、抗老化への巨額投資を呼び込んだ。開発したユアンチェン(ライアン)・ルー博士の治療は2026年、緑内障患者への臨床試験に入っている。

    by Antonio Regalado
  4. 送電網の蓄電池から中国製を締め出し、米国が払う「自立」の代償は

    トランプ政権は8月下旬、国家非常事態を宣言する大統領令で、中国製バッテリーを送電網規模の蓄電システムに使うことを事実上禁じた。だが現在、こうした施設のほとんどは中国製セルを使っている。国内生産が需要を満たすのは2030年代後半になる可能性もある。

    by Casey Crownhart
  5. 反射性の粒子を成層圏に撒いて地球を冷やす「成層圏エアロゾル注入」について、非営利団体リフレクティブが初のロードマップを公開した。連携して進めれば約10年、約3億7000万ドルで判断に必要なデータが揃うという。ただし計画には、二酸化硫黄を実際に放出する屋外実験が含まれており、議論を呼びそうだ。

    by James Temple
  6. 排出半減でコスト25%減、製鉄脱炭素の「現実解」を示す34歳

    グリーンスチールの開発競争は、水素で鉄鉱石から酸素を取り除く手法に集中している。だが、米国の鉄鋼業スタートアップであるハーサ・メタルズを起業したローリーン・メルーエは、当面は化石燃料を使い続けることを選んだ。天然ガスで石炭を置き換え、工程を一つにまとめる。排出は少なくとも半減、コストは25%減。ゼロカーボンを待つより、今できることを取りに行く判断だ。

    by Bridget Reed Morawski
  7. 「ロボット大国だから勝てる」の危うさ、それでも賭ける起業家

    「日本はロボット大国だから、フィジカルAIでは勝てる」という論調がある。だが、2026年上半期のヒューマノイドロボットの世界出荷台数では、上位5社すべてが中国企業だ。そうした条件を承知の上で、ハードもAIも全部やるという起業家がいる。

    by Motoki Kobashigawa
  8. 米国のバッテリー導入が過去最高、データセンターも需要けん引

    米国のバッテリー導入は2026年に71ギガワット時に達し、前年から20%増える見通しだ。バッテリー価格の低下と、再生可能エネルギーの拡大に伴う蓄電需要が背景にある。記録的な四半期を押し上げたのは大型の系統向け設備で、需要家側ではデータセンターが商業部門の約4分の3を占めた。一方、住宅用は16%減る見込みだ。

    by Casey Crownhart
  9. 2人の数学者が公開モデルと1年かけて進めた研究は、完全な解には届かなかった。オープンAIは社内モデルと約1万のAIエージェントを投じ、数日で解いた。かかった費用は数百万ドル。数学の最難問が、潤沢な資金と専用モデルを持つ企業の領域になりつつある。

    by Grace Huckins
  10. 街中を猛スピードで走りながら、交差点ごとにブレーキを踏む車——ハナ・アーリーは、いまのコンピューターチップをそう例える。止まるたびに勢いを失い、再加速にエネルギーを使う。彼女が挑むのは、その勢いを保つチップだ。50年以上前に提唱されながら実装できなかった構想を、31歳が形にしつつある。

    by Eshan Raul