フラッシュ2023年2月24日
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ゲノム情報から加齢変化を取得する新たな手法を開発=京大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]京都大学の研究チームは、生体分子発現量の非線形な加齢変化のパターンをデータ駆動的に同定し、加齢変化パターンに応じてマーカーを分類する新たな手法を開発。さらに同手法を、DNAメチル化情報を取得したメチロームデータセットに網羅的に適用することで、DNAメチル化マーカーの非線形な加齢変化パターンの全体像を調べた。
「体の老化度」を測定する老化バイオマーカーの開発は、老化研究の中心的なテーマの1つ。研究チームは今回が開発した「DICNAP(Data-driven Identification and Classification of Nonlinear Aging Patterns)」手法は、非線形関連解析と関数データ解析を組み合わせた複数段階のステップで構成する。まず、ゲノムワイドなバイオマーカーを関連なし、線形に増加、線形に減少、非線形の4パターンに分類。次に、非線形なマーカーを形状に基づいて分類し、各グループに代表的な加齢変化のパターンを同定するという手順をとる。
同チームは同手法を公共データベースから取得したヒトでの大規模DNAメチロームデータに適用し、メチル化強度の加齢変化の全体像と潜在的な関数パターンを探索。その結果、DNAメチル化の加齢パターンには線形だけでなく、非線形な変化も多数存在することを明らかにした。さらに、それぞれのマーカーでのメチル化強度の個人差が加齢に伴い、どのように変化していくのか調べて、加齢に伴いメチル化強度の個人差が加齢とともに増加し、中年以降に加速する非線形な関数パターンを検出した。
生体に現れる様々な形質や生体分子発現量が加齢によってどのように変化していくかの関数パターンは、その背後にある生物学的メカニズムの変化を反映していると考えられる。しかし、加齢に伴う非線形変化の全体的な様相は不明である。
研究論文は、国際学術誌ヒューマンゲノミクス(Human Genomics)に2023年2月11日付けでオンライン掲載された。
(中條)
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