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成功率は50%、採用活動を自動化するAIヘッドハンターが躍進中
Tim Gouw | Unsplash
An AI Recruiter Could Find You Your Next Job

成功率は50%、採用活動を自動化するAIヘッドハンターが躍進中

人材採用の過程は、採用される側にとっても、する側にとっても単調なものだ。複数のオンラインフォームや山積みの履歴書があり、リンクトイン(LinkedIn)を閲覧して何度も面接する。こうした作業はどれも繰り返し行われる。要は、インターネット上のデータを精査しているのだ。まさに、人工知能(AI)にとって理想的な作業である。

AIは大量のアクセス可能なデータを学習し、作業を自動化するのに長けている。Wooを見てみよう。求職者に適した仕事を見つける、AIを取り入れた人材採用プラットフォームだ。Wooは大企業のためのヘッドハンティングツールであり、能力のある求職者にとってはシンプルな就職ツールとして機能する。

「面接のことを考えると、採用する側もされる側も結局、情報が足りません」。Wooの最高経営責任者(CEO)兼創業者リラン・コッツアーはフォーブス誌に「もし『神』のように、過去の経験やプロジェクト、文化に至るまで、すべてを知っている機械があれば、機械が会社と求職者の両方にとって最適な役目を果たし、両者ともそれに疑問を抱くことはないはずです」と語った。Wooのヘッドハンティングソフトウェア「ヘレナ(Helena)」は52%の確率で採用候補者の面接まで漕ぎ着けている。人間の人材採用担当者の2倍以上だ。

Wooだけではない。インドのベンガルに拠点を置くスタートアップ企業ビロング(Belong)もまた、AIを使ってWeb全体から人材情報を集めている。その中にはGitHub(ギットハブ)やツイッターなどのサイトも含まれ、職位に合った要件を基に採用候補者のランキングを生成する。

アルゴリズムを使って人材採用の過程を合理化することは、コストと時間を節約したい会社にとって極めて魅力的ではある。だが、以前にも書いた通り、AIの判断にはバイアスがかることもよくある(参照「How to Root Out Hidden Biases in AI」)。ソフトウェアのせいではない。ソフトウェアは集めたデータを処理する能力に長けているだけだ。人間は、ジェンダーや人種などの差別を排除できない、不幸な習性を持っている。AIが人材採用のプロセスを担う世界で、そうした落とし穴にはまりたくなければ、AIに公正な判断でよい仕事をさせるために、鋭く目を光らせらなければならないのだ。

 

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2017.11.28, 17:33
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