クジラの鼻水をドローンで収集、未知のウイルスを発見
オーストラリアのシドニーの生物学者チームは、無人航空機(UAV)を使って潮を吹くクジラからウイルスを回収している。ただただ素晴らしいの一言だ。
クジラの肺の中にはどんな種類のウイルスが生息しているのか? それが研究チームの調べたかったことだ。
しかし、どんな手段を使ってもクジラを間近で観察するのは容易ではない。鼻水のサンプルを採るとなるとなおさらだ。
昨冬、研究者らは船に乗り、南極から北方へ回遊するザトウクジラの群れをオーストラリア東部で追跡した。「クジラの息」のサンプルを採るために使用したのは、開閉機能をもつペトリ皿を備えたドローンである。ドローンのなすべきことはただ一つ。クジラが海面に浮上した際、背中の鼻の穴から噴出される水煙に急降下することだった。
その結果、研究者のチームはクジラの肺に生息するウイルスの一覧表を手に入れることができた。その中には、科学界にとって新発見のウイルスが少なくとも2種類は含まれていた。研究者らはクジラが潮吹きをする際、ウイルスを伝染させているか、あるいは海鳥からウイルスをうつされているのではないかと推測している。
2026年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補4つ
世界の工学者を魅了し続ける
eムック最新号「安全保障2.0 見えない脅威への備え」
13歳の心臓病患者救った高速DNA解析、カギは「ストリーミング」
書評:サム・アルトマンはいかにして「AI帝国」を築いたか