KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

宅配ドローンよりも注目すべき、アマゾンの「走るコンベア」
Amazon
Forget drones, Amazon’s real robot innovation is in the warehouse

宅配ドローンよりも注目すべき、アマゾンの「走るコンベア」

アマゾンが、自社倉庫内で商品を移動させる2つの新しいロボットを開発した。

アマゾンは、6月4~7日にラスベガスで開催したカンファレンス「リ・マーズ(re:MARS) 」で、「ペガサス(Pegasus)」と「ザンザス(Xanthus)」という2つのロボットを披露した。このカンファレンスでは一連の奇抜な新型ドローンや歩道を走る配達ロボットも紹介されたが、「倉庫のアップグレード」はそれ以上に重要なものだ。

もちろんアマゾンは、以前からロボットを配送センターで稼働させている。配送センターでは、商品が積まれた棚を車輪がついた機械が収集人のところまで運んだり、梱包や輸送のためにコンベアが商品を仕分けして運んだりしている。

ペガサスとザンザスは、アマゾン倉庫における自動化をさらに推し進めることになるだろう。ザンザスはアマゾンの棚運搬用ロボットをアップグレードしたもので、より幅広い環境で稼働させられる。 ペガサスは、通常採用されているコンベアを置き換えるまったく新しいシステムである。

他の企業が派手な人工知能(AI)の実演に多くの関心を寄せている中、アマゾンはより高度なロボットの開発の最前線にいる。グーグルやフェイスブックと異なり、アマゾンの収益は、配送センター内で何十億もの商品をいかに移動させるかにかかっている。同社はまた、棚から商品を選ぶロボットの開発を推進するために企画しているコンテストに資金提供もしている。

だが状況は、アマゾンにとってはやや微妙だ。 同社は中小企業を壊滅させるとの批判をしばしば受けており、自動化の導入は、人間の労働者を置き換えるものとして強い批判を招きがちだ。ペガサスを監視する「フロー・コントロール・スペシャリスト」という新しい仕事が創設されたとアマゾンが強調していることは、驚くに値しない。

MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] 2019.06.10, 6:54
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る