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トランプ政権の大胆な省庁再編案、科学技術分野はどう動く? Here’s how the proposed reorganization of the federal government could impact science and tech

トランプ政権の大胆な省庁再編案、科学技術分野はどう動く?

トランプ政権が米連邦政府の再編案を発表した。

内容からは大規模な変更点が多数見受けられるが、再編案が議会で承認された場合に、 科学技術分野に大きな影響を及ぼしそうな変更点は以下のとおりだ。

労働省と教育省は「教育労働省(Department of Education and the Workforce)」という1つの省に統合される。報告書によると、学校が学生の就労準備を支援しやすくすることが目的だという。これがSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育やテクノロジーを基盤とした仕事に有効な訓練に一層重点を置くことを意味しているのかは、今のところ不明だ。

米国エネルギー省内の応用エネルギー計画は、化石燃料や再生可能エネルギー、原子力などエネルギーの種類に関係なく、「エネルギー革新局(Office of Energy Innovation)」に統合される予定だ。その目的は「エネルギーの研究開発における利益を最大化し、国が求めるエネルギー技術ニーズの変化に対してすばやく適応できるようにするため」だという。

米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)と米国保健福祉省(HHS)内で食品の安全を担う米国食品医薬品局(FDA)は、USDA内の1つの機関に統合される予定だ。

また、報告書によると、政府は「あらゆる連邦機関が一丸となって米国国土安全保障省(DHS) や米国行政管理予算局(OMB) と協調して取り組み、民間企業横断の統一されたサイバー人材能力を確立することによって、サイバーセキュリティ人材の不足を解消すること」を望んでいるという。要するに省庁の垣根を越えてサイバーセキュリティ分野で優秀な人材の人手不足を解消することに焦点を置いているわけだ。

さらに、米国科学財団(NSF)が、複数の異なる連邦政府関係機関から、大学院の研究奨学金の運営を一手に引き受けることになる予定だ。これは、奨学金の運営に掛かるトータルコストを削減することが目的だ。

再編案は、議会から大きな反発を買うことになりそうだ。すでにテクノロジー分野以外では、郵政公社の民営化が議論の的になっている。その他の変更点についても、特定の委員会に対して国会議員たちの権力を弱める可能性がある。省庁再編は、事業再編とは比べ物にならないほどはるかに複雑だ。今回の案が仮に採決に持ち込まれたとしても、実現までにさまざまな修正や調整が加えらえることになるだろう。

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2018.06.26, 6:04
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