テレグラムへのDDoS攻撃に中国関与の疑い、香港デモ阻止が目的か
活動家らは、テレグラム(Telegram)をはじめとする暗号化メッセージング・アプリを利用してデモ活動を組織している。
世界で2億人のユーザーを抱えるテレグラムは6月12日、分散型サービス不能攻撃(DDoS)を受けたと発表した。一部のユーザーが影響を受けたと見られている。テレグラムの創業者パーヴェル・ドゥーロフは、今回の「国家規模」の攻撃を仕掛けたIPアドレスの大半は、中国のものだったとツイッターに投稿した。
今週、香港で大規模な抗議活動が起こっている。6月12日には暴動に発展し、少なくとも72人が負傷した。香港で拘束された容疑者を中国本土に引き渡すことを認める初の条例改正案に対し、活動家らは怒りをあらわにしているのだ。彼らは特別行政区として高度な自治権を持つ香港に対し、中国が支配力を強めていることに恐怖を抱いている。
デモの参加者らはテレグラムを使って計画を広め、マスクやヘッドギア、水などの支給品の分配を調整している。香港警察は6月12日、テレグラム上のグループを管理するメンバーの1人を逮捕した。
世界中の抗議者にとって、当局の監視の目を逃れて通信できる暗号化メッセージング・サービスは欠かせないツールだ。テレグラムが独裁主義政府から脅威とみなされているのは驚くべきことではない。ロシアとイランは繰り返しテレグラムの遮断を試みており、中国本土では遮断されている。