東芝が自動運転向けライダー用SoCを開発、200メートルの測定実現
「自動運転自動車の眼」となるライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)の課題の1つが、測定距離だ。現在主流のライダーの測定距離は120メートル程度だが、時速110キロで走行中の自動車がブレーキをかけてから実際に停止するまでには100メートルもかかる。安全な自律自動車の実現には、常に200メートル先まで測定できるライダーが必要なのだ。
ライダーが長距離の測定を苦手とする原因の1つが、太陽光下での微弱な反射光の検知だ。太陽光の影響を低減させる回路を使うと駐車アシスト時など、短距離を高精度に測定する際の高速処理が難しい。そこで東芝は、短距離用と長距離用の2つの回路で構成するハイブリッド型のSoC(システム・オン・チップ:システム全体をチップ化した半導体製品)を開発。200メートル先までの範囲で解像度の高い測定画像の取得に成功したという。
東芝は2020年度の実用化を目指している。200メートル以上の長距離が測定可能なライダーの開発をめぐっては各社がしのぎを削っており、大手自動車メーカーが完全自律自動車の販売開始を予定している2021年を前に競争が激しくなりそうだ。
- 参照元: 東芝
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