
金融界の急進的なAI化、WEFが指摘する「世界経済混乱」リスク
世界経済フォーラムの報告書によると、人工知能(AI)が金融業界に浸透すると、サイバーセキュリティのリスクが高まると同時に、システムに単一障害点が生じる恐れがあるという。しかし業界は、AI研究者を続々と雇って、さまざまなサービスを自動化することに躍起になっている。 by Will Knight2018.08.17
人工知能(AI)により金融界は今後10年ほどで作り替えられるだろう。投資や他のサービスが自動化されるのだ。しかし、世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が発表した新たな報告書によると、AIを活用することで、システム上の厄介な脆弱性とリスクも抱え込むことになるという。
この報告書は、何十人もの有名な金融専門家や産業リーダーとのインタビューをまとめたもので、AIによって金融業界が混乱に陥ると結論づけている。アーリーアダプターが競争相手を打ち負かすことができるというのがその理由だ。報告書によるとまた、AIによって、個人ファイナンスや個人投資を管理する高度なツールなど、消費者向けのより便利な製品も生まれてくるという。
しかし、報告書の指摘の中で特に注目すべきなのは、大手金融機関が将来的に、機械学習を基にしたサービスをクラウド上で構築する可能性だ。こうしたサービスは他の機関から利用できる。
この報告書の主要な著者であり、WEFで「金融サービスにおけるAI」プロジェクトを率い …
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